新生活がもたらすストレスとその対策

春は新生活が始まる季節で、多くの人にとって期待と不安が交錯する時期です。この時期には、環境の変化や季節の移り変わりによる心身の負担が増えるため、ストレスや疲労を感じやすくなります。
本記事では、春特有のストレス要因とその対策を解説し、健やかな新生活をサポートするための方法を提案します。
ストレスを感じやすい時期とは?
新年度や季節の変わり目は、特にストレスを感じやすい時期として知られています。以下のようなタイミングがストレスのピークになりやすいです。
- 新しい環境への適応期
(4月〜5月) - 新しい職場や学校、引っ越しなど、環境が大きく変わる時期は、特に心理的負担が大きくなります。新しい人間関係の構築や、新しい仕事の習得などで、精神的に消耗しやすくなります。
- 季節の変わり目
(春〜初夏) - 寒暖差や気圧の変化が激しい春は、自律神経が乱れやすく、体調を崩しやすい季節です。これにより、疲れやだるさを感じる人が増えます。ゴールデンウイーク明けに症状が出ることが多いので
「5月病」と呼ばれています。
春に疲れやすい理由
春は特に疲労感を覚えやすい季節です。その背景には、以下の要因が挙げられます。
気候の影響
春は日々の寒暖差が激しく、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるため、自律神経の働きに大きな負荷がかかります。これにより、交感神経が優位になりやすく、エネルギー消費が増え、疲れやすさやだるさを感じることが多くなります。
新しい環境への適応
新生活が始まることで、多くの人が新しい役割や責任を担うことになります。慣れない環境での緊張感が続くことで、心身のエネルギーが消耗しやすくなります。
自律神経の乱れ
環境や気候の変化に体や心が順応できないと、自律神経のバランスが崩れやすくなります。この影響で、疲労感、胃腸の不調、睡眠の質の低下など、さまざまな不調が現れることがあります。
新生活でのアルコールとの向き合い方
新年度が始まると、歓迎会や飲み会など、アルコールの摂取が増える機会が多くなります。新入社員を対象とした飲み会では、特に以下の点に注意が必要です。
無理な飲酒を避ける
職場の飲み会では、「場の空気に合わせること」が求められることもありますが、無理にアルコールを摂取することは避けましょう。アルコールを分解する能力は個人差が大きく、無理な飲酒は健康を害するだけでなく、翌日の仕事のパフォーマンスにも悪影響を与える可能性があります。
胃腸ケアを意識する
アルコールを摂取すると胃腸に負担がかかります。特に、空腹状態での飲酒は胃へのダメージが大きくなるため、事前に軽い食事を摂ることがおすすめです。また、市販の胃薬やウコンなどのサプリメントを活用することで、胃腸の健康をサポートできます。
飲みすぎ防止のための工夫
アルコールの合間に水やノンアルコール飲料を摂取する。 最初から自分のペースを守ることを伝え、周囲の理解を得る。
自律神経を整える具体的な方法
規則正しい生活リズムを心がける
朝は決まった時間に起き、夜は決まった時間に就寝することで、体内時計を整えることができます。睡眠の質を高めるためには、寝る前にスマートフォンやテレビの画面を見る時間を減らすことが有効です。
バランスの取れた食事を摂る
自律神経の働きをサポートするためには、ビタミンB群やマグネシウムを含む食材(例:豚肉、魚、ナッツ、葉物野菜など)を意識的に摂取することがおすすめです。また、腸内環境を整えるためにヨーグルトや発酵食品を取り入れることも効果的です。
適度な運動を取り入れる
運動は交感神経と副交感神経のバランスを整えるうえで非常に重要です。
特に以下のような軽い運動が効果的です。

1日30分程度、ゆったりとしたペースで行うとリラックス効果が得られます。

朝起きたときや夜寝る前に軽いストレッチをすることで、副交感神経が優位になり、リラックス状態を作ることができます。

呼吸を意識しながら体を動かすことで、心身ともにリフレッシュできます。初心者でも始めやすいポーズをいくつか習慣にするのがおすすめです。

スクワットやプランクなど、無理のない範囲で筋力を鍛える運動を取り入れると、心拍数の安定やストレスの軽減につながります。
運動をする際には、「やりすぎないこと」がポイントです。激しい運動は逆に交感神経を過剰に刺激し、疲労を蓄積させる可能性があるため、適度な強度で行うことを心がけましょう。
リラックスできる時間を作る
趣味や読書、音楽を楽しむ時間を設けることで、副交感神経が優位になり、心身のリラックスにつながります。また、深呼吸を取り入れた瞑想やマインドフルネスの練習も効果的です。
入浴で体を温める
シャワーだけで済ませるのではなく、湯船に浸かる習慣をつけることで、血流が改善し、リラックス効果が高まります。38~40℃のぬるめのお湯に10~15分浸かると、副交感神経が優位になります。
良質な睡眠を確保する
就寝前にリラックスできる環境を整えましょう。部屋を暗くし、心地よい寝具を選ぶことで、眠りの質が向上します。また、カフェインを含む飲み物は夕方以降控えるのがおすすめです。
胃腸ケアのためのアイテム活用
新生活でのストレスやアルコールの影響を軽減するために、以下のアイテムを取り入れるのも一つの方法です。
消化を助けるサプリメント
胃腸の調子を整えるためのサプリメントは、手軽に取り入れることができ、忙しい新生活にぴったりです。以下の成分を含むものが効果的です
乳酸菌やビフィズス菌腸内環境を整え、便秘や下痢を予防するのに役立ちます。プロバイオティクスと呼ばれるこれらの菌は、腸内の善玉菌を増やし、消化吸収をサポートします。
食べ物の消化を促進し、胃の負担を軽減します。脂肪やタンパク質の分解を助けるリパーゼやプロテアーゼを含むものがおすすめです。
胃腸の粘膜を保護する働きがあり、ストレスが原因の胃の不調や腸の炎症に効果的です。特に胃の痛みを感じやすい人に向いています。
歓迎会や飲み会後をケアするサプリメント
胃腸薬軽い胃もたれや胃酸過多の症状には市販薬が役立ちます。
飲み会が続く場合に肝臓の働きをサポートする補助食品として有効です。
まとめ
春は、心身に大きな負担がかかる季節です。しかし、規則正しい生活習慣や適切なセルフケアを取り入れることで、ストレスを軽減し、新生活を快適に過ごすことができます。また、飲み会などのイベントでも、自分のペースを大切にしながら楽しむことが、長期的な健康維持につながります。
心身の健康を守るため、日々のケアを意識し、ストレスフリーな春を過ごしましょう!
監修漆畑俊哉(薬剤師)

- 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
- 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
- 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
- 在宅療養支援認定薬剤師