インフルエンザ予防接種開始のお知らせ
新型コロナウイルス感染症の流行が懸念される中、この冬に向けてインフルエンザワクチンの需要が高まる可能性があります。
先日、厚生労働省から今年のインフルエンザワクチン予防接種について発表がありました。
本記事は、インフルエンザの予防接種や食事についてお話しします。
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。
38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が普通の風邪に比べ急速に現れるのが特徴で、普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。
お子様ではまれに急性脳症を、ご高齢の方や免疫力の低下している方では二次性の肺炎を伴う等、重症になることがあります。
今年の予防接種の開始時期
2020年は10月1日から全国的に予防接種が始まります。
10月1日~25日までは65歳以上の高齢者や定期予防接種対象者が優先的に予防接種を受けることができ、26日以降は希望者が受けることができます。
予防接種の効果・有効性
インフルエンザの予防接種を受けることで得られる効果は大きく2つあります。
国内の過去の研究によると、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者は34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。
また、6歳未満の小児を対象とした研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています。
ワクチン接種の回数について
13歳以上の方
13歳以上の方は、1回接種を原則としています。
インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。
13歳未満の方
13歳未満の方は、2回接種です。
1回接種後よりも2回接種後の方がより高い抗体価の上昇が得られることから、6カ月以上3歳未満の方は1回0.25mLを2回接種、3歳以上13歳未満の方は1回0.5mLを2回接種とされています。
ワクチン接種による副反応について
インフルエンザワクチンはウイルスの活性を失わせ、ヒトの体で免疫を作るのに必要な成分を取り出し病原性をなくした「不活性化ワクチン」です。
接種によるインフルエンザの発症はありませんが、副反応が生じる場合があります。
副反応の症状として、接種部分の発赤、腫れ、痛みがあります。通常は2~3日で症状は消失します。
稀に重い副反応が出る場合があります。その際は医師に相談しましょう。
免疫を高める食事
漢方医薬学の考え方で『陰陽五行論』というものがあります。
この考え方は、「春」「夏」「土用」「秋」「冬」の季節に分け、季節ごとで傷む臓器や器官があり、食事によってその臓器や器官を守る事ができるという考え方です。
「秋」では、肺鼻、大腸、皮毛が痛むと考えられていています。これらを守るには「辛」を体にいれることによって守る事ができます。
普段の食事にスパイスや香辛料を効かせた料理を足してみませんか。
まとめ
インフルエンザは予防接種を受けることで重症化のリスクをさげることができます。
高齢者や疾患を抱える方など重症化に陥りやすいかたは、予防接種を受けることが望ましいです。
普段の食生活をもう一度見直し、今からインフルエンザに負けないからだづくりをしましょう。
監修土橋弘靖(薬剤師)
- 研修認定薬剤師
- 認定実務実習指導薬剤師
- 認定がん医療ネットワークナビゲーター
- スポーツファーマシスト
- 日本在宅薬学会バイタルサインエヴァンジェリスト
- 腎臓病薬物療法単位履修修了薬剤師
- 心電図検定3級