漢方薬でストレスケア!効果的に心身の健康を守る方法
現代社会はさまざまなストレスにあふれ、増え続けるストレスで悩んでいる方は少なくありません。ストレスは疲労や不眠、気分の落ち込み、胃腸の不調、肌トラブルなど多くの心身の不調に関係しています。
この記事では、ストレス社会を生き抜くために効果的な漢方薬を紹介し、効果的な使用方法や選び方をくわしく解説しています。ストレスフリーで健康的な毎日を目指すために、ぜひご覧ください!
目次
集中力アップ!ストレスが原因の疲労に効く漢方薬
ストレスは、メンタル面の不調を招く原因となります。
ストレスのある状態が続くと、疲れを感じやすくなったり、体がだるくなったりします。また、過度なストレスは思考力や集中力を低下させる可能性があるので注意が必要です。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力がなく、胃腸も弱くて食欲不振、疲れやすいという方におすすめです。口に泡のようなつばがたまる、足や膝への脱力感などの症状にも効果が期待できます。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
健康な方が急激に体力を使い、疲労困憊した場合などに効果があります。病気で体が弱っている場合でも効果が期待できます。
ストレスによる不眠症を解消!安眠に導く漢方薬
ストレスなどで不眠が続くと、倦怠感、意欲低下、集中力低下、抑うつ、頭痛、めまい、食欲不振などの不調があらわれる可能性が高くなります。
多くの人が経験する不眠ですが、不眠症が慢性化するとなかなか回復しにくいと考えられており、適切な治療を行うことが重要です。不眠症に対する漢方での治療は、副作用の面などで安全性が高いと考えられています。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
ストレスが原因の疲労や不安感をやわらげ、心身を落ち着かせる効果があります。ストレスによる自律神経の乱れを整えることで動悸や不眠を改善する漢方薬です。
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
体力が中等度以下の高齢の方や虚弱ぎみの方で、眠れない、寝つきが悪いという方に効果的な漢方です。
気分をリフレッシュ!ストレスによる苛立ちや不安感をサポートする漢方薬
ストレスの多い現代生活では、神経過敏になり、ささいなことが気になって落ち着かなくなったり、いらいらしたりといった神経症の症状に悩む人が増えています。
苛立ちや不安、動悸、神経のたかぶりなど、自覚症状に応じて漢方薬を選択することが重要です。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
疲れやすく、神経過敏で興奮しやすい方の神経症や不眠症などの症状に効果があります。
抑肝散(よくかんさん)
精神的なストレスをやわらげ、いらいらや不安感を解消する効果があります。心を落ち着けたい方におすすめです。
胃腸の健康を守る!ストレスによる胃腸トラブルに効く漢方薬
胃や腸はストレスの影響を受けやすい器官です。ストレスにより自律神経が乱れると、胃炎や便秘・下痢などの不調が生じる可能性があります。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
胃痛や腹部の不快感(みぞおちの張りやつかえ、ガスの排出が多い)などの症状を軽減します。食欲不振や吐き気にも効果があります。
六君子湯(りっくんしとう)
胃腸が弱く、食欲がない、あるいは食欲があっても食べられない、食べると嘔吐や下痢を起こすときなどに処方される漢方です。
ストレスが引き起こす肌トラブルを解消!美肌をサポートする漢方薬
ストレスによる睡眠不足やホルモンバランスの乱れなどが原因で、肌荒れなどの肌トラブルが発生することがあります。
肌荒れは漢方でよくなることが多い症状です。ここでは、肌トラブルや美肌に効果がある漢方をご紹介します。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
にきびやしみ、湿疹・皮膚炎に効果がある漢方です。月経不順や月経痛、肩こりなどの症状の改善も期待できます。薏苡仁(ヨクイニン)を加えると、皮膚症状により効果があります。
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
のぼせやすくて赤ら顔の方で、顔の湿疹や皮膚炎、にきびを改善する効果があります。化膿しているにきびにも効果が期待できます。
まとめ
ストレスはさまざまな体の不調を引き起こす原因になります。
ストレスによって生じる疲労や不眠、気分の落ち込み、胃腸トラブル、肌荒れなどの改善に効果が期待できる漢方薬は数多く存在します。
自分の体質や症状に合った漢方薬を適切に選択し、ストレスと上手に付き合って健康的な生活を送りましょう。
監修漆畑俊哉(薬剤師)
- 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
- 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
- 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
- 在宅療養支援認定薬剤師