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2024.10.2

子供の予防接種について知っておくべきポイント

子供の予防接種について知っておくべきポイント

子供の成長と健康を守るために、予防接種は非常に重要です。今回は、予防接種に関する基本的な情報から始め、具体的な接種スケジュールや安全性についても詳しく説明します。

予防接種とは

予防接種は、病気を引き起こす可能性のある細菌やウイルスから身を守るために免疫を獲得する方法です。通常、ワクチンと呼ばれる溶液または注射液を使用して、体内に特定の病原体の部分(抗原)を導入します。この抗原に対する免疫系の反応が促進され、将来的にその病気に罹患するリスクを大幅に減らすことができます。

また、その病気に感染してしまった場合には、病気の進行を予防することができます。

予防接種とは

予防接種は基本的には無料(公費負担)です。ただし、定期接種の対象年齢から外れている場合や、決められた接種間隔を満たしていない場合は、定期接種とみなされないため、全額自己負担となるので注意してください。

予防接種の重要性

予防接種は、個人の健康を守るだけでなく、社会全体の公衆衛生にも大きな貢献をします。

例えば、ポリオや麻疹などの感染症は予防接種によってほぼ撲滅され、罹患率が極端に減少しました。予防接種によって集団免疫が形成され、未接種者や免疫が弱い人々を守る役割も果たします。

これにより、感染症が広がるリスクが軽減され、社会全体の健康と安全が確保されます。

また、結果的に医療費の削減や生活の質の向上にもつながることが多くの研究で示されています。

予防接種前後の対応

予防接種前後の対応

まず、受けるべきワクチンの種類や時期を確認してください。接種するワクチンのメリットや副反応(副作用)について接種医などと相談し、よく理解し接種を検討しましょう。

また、当日の体調や過去の罹患歴などによって予防接種を受けることが適当ではない場合もあるため、予防接種を受けることが適当ではない状態に該当しないかについても確認しましょう。

予防接種は体調が良いときに受けるのが原則です。いつもと様子が異なる、何となく調子が悪いという時は、受けることができるかどうかを、必ず接種医に相談しましょう。

予防接種後の適切な対応については、以下のポイントを参考にしてください。

接種後の安静と観察

接種後は、できるだけ安静にし、体調の変化を注意深く観察しましょう。特に小さな子どもや高齢者の場合は、休息を取ることが重要です。体調が悪くなければ入浴することも可能です。

局所的な反応のケア

多くの場合、接種部位には軽い痛みや腫れが生じることがあります。氷や冷却パッドを使って冷やす、軽い痛み止めを服用する(医師の指示に従ってください)、やわらかい服を着用するなどの対策が有効です。

一般的な副反応の観察

接種後数時間から数日間は、副反応が現れることがあります。これらが軽度であれば、安静にしていれば対処できますが、症状が重い場合や持続する場合は医療機関に連絡しましょう。

予防接種の安全性と副反応

予防接種は重要な健康対策ですが、その安全性と副反応についてご心配の方もいらっしゃるかもしれません。ですが現代の予防接種は、厳格な安全性評価を経て承認され、使用されています。新しいワクチンが市場に出る前には、広範な臨床試験が行われ、安全性と有効性が確認されます。また、市販後も定期的に副反応の監視が行われています。

多くの場合、予防接種後には軽度の副反応が現れることがあります。例えば、接種部位の痛みや発赤、発熱、頭痛、倦怠感が見られることがありますが、これらは一般的な症状であり、軽度であれば休息と水分補給で対処でき通常は数日で回復します。

一般的に、予防接種は安全で効果的な医療行為とされており、重篤な副反応が起こることは非常に稀で、ワクチンの利益とリスクのバランスは良く調整されています。万が一、呼吸困難、顔や喉の腫れ、めまいなど、重篤な副反応が起きた際には、すぐに医療機関へ連絡を取り緊急の対応を受ける必要があります。

国際的な保健機関や医療専門家は、継続的なワクチンの安全性の監視を行い、新しい情報に基づいて推奨事項を更新しています。予防接種の安全性に関する情報も理解しておくとおすすめです。

一般的な子供向け予防接種の種類とスケジュール

子供の年齢に応じた推奨される予防接種には多くの種類があります。新生児期から思春期にかけて、研究に基づいたスケジュールに沿ってワクチンが推奨されています。

代表的なものとしては以下の通りです。

BCGワクチン(結核予防接種)
肺結核やその他の結核感染を予防する
ジフテリア・百日咳・破傷風(DPT)ワクチン
ジフテリア・百日咳・破傷風の3つの病気からの保護
インフルエンザワクチン
季節性インフルエンザウイルスによる感染を予防
MMRワクチン(麻疹・風疹・おたふくかぜ)
麻疹、風疹、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)の3つのウイルス病の予防
水痘ワクチン
水痘(Varicella-zosterウイルスによる感染症)の予防
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌による感染症、特に肺炎や中耳炎の予防

などがあります。

下記のサイトでは、予防接種のスケジュールやチェック表が公開されています。

こちらを利用して、何の予防接種を受ければよいのか確認し、事前に予定を立てておき、余裕をもって予約をして接種に臨みましょう。

何をいつ受けたのかを記録しておくことは、接種忘れを防ぐことや、必要回数以上に接種してしまうといったことを防げるのでおすすめです。

具体的な接種時期や種類については若干異なる場合があるので、医師や地域の予防接種プログラムに従ってください。

また、予防接種の際には母子健康手帳を必ず持参してください。もし忘れてしまうと接種記録が漏れてしまい、その後の接種に支障をきたす場合があるほか、母子健康手帳を忘れた場合には接種しない方針をとっている医療機関もあります。接種忘れや、必要以上に接種しないようにするためにも、母子健康手帳は必ず持参してください。

母子健康手帳

まとめ

今回は、「子供の予防接種について知っておくべきポイント」について説明しました。

子供の健康を守るために予防接種は重要であり、必要なものです。万が一副作用が起きた場合を含め、接種後の対応についても確認しておくと安心です。

いつまでに、何の予防接種が必要なのか、事前に把握しておき余裕を持って予防接種に臨みましょう。

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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