頭痛の原因は肩こり?頭痛と肩こりの解消方法を薬剤師が解説
頭痛は、多くの方が一度は経験する症状ではないでしょうか。慢性化してしまっている方も多いです。日本人は、4人に1人もの割合で頭痛に悩んでいるという報告もあります。
頭痛にはいくつか種類がありますが、その中でも「肩こり」に起因する頭痛は、比較的頻度が高いです。今回は、肩こりによって頭痛が起こる原因や対処法を解説します。
頭痛の原因としての肩こりのメカニズム
肩こりによって頭痛が起きてしまう原因は、筋肉のこわばりです。
首や肩周りの筋肉がこわばることで血流が悪化したり、疲労物質が蓄積したりといった状態になり、頭痛につながってしまいます。
こうした頭痛は「緊張型頭痛」と呼ばれ、「片頭痛」とは原因も対処法も異なるのがポイントです。
緊張型頭痛が起こる原因としては、以下のようなものが考えられます。
緊張型頭痛が起こる原因
- 肩こり
- 姿勢が悪い
- 長時間同じ姿勢で過ごしている
- 精神的なストレスの多い環境にいる
- 枕が合っていない
- 運動不足
- 長時間のPC作業などによる眼精疲労
緊張型頭痛と片頭痛
緊張型頭痛と片頭痛とは特徴が異なりますが、両方の頭痛を併せ持つ方もいます。それぞれ対処法が異なりますので、今の頭痛がどちらに起因しているかを見極め、理解するということが必要です。
また、慢性的な頭痛のある方で、ご自身で「片頭痛だ」と考えている方もいますが、実際には片頭痛の割合は多くありません。
片頭痛であれば、適切な予防薬などを使うことで改善させることもできますので、慢性的な頭痛でつらい、日常生活に支障がある方は医療機関で相談することをおすすめします。
肩こりによる頭痛の予防・解消法
肩こりが関連する「緊張型頭痛」を予防・解消する方法をご紹介します。慢性的な頭痛がある方は、試してみてください。
適度に体を動かす
緊張型頭痛は、筋肉の緊張が原因となっています。筋肉がこわばってしまわないよう体を動かしましょう。
とくに、肩周りや首をよく動かすことが大切です。デスクワークの方は、時間を区切って休憩し、以下のようなストレッチを取り入れてみてください。ストレッチをおこなう際、体に力を入れすぎないように注意します。
肩周りをほぐすストレッチ
- 肩をゆっくりと回す
- 両肩をゆっくりと上げ下げする
首をほぐすストレッチ
- 首をゆっくりと回す
- 首を横に倒し、頭の重みで自然に伸ばす
体をあたためる
体をあたため、筋肉をほぐしたり、血流を改善したりするようにしましょう。体をあたためる一環として、スポーツも適しています。
慢性的な頭痛でお悩みであれば、首までゆっくりとお湯に浸かることを日課にしてみてはいかがでしょうか?
片頭痛の場合は、入浴で悪化することがあるため、ご自身の体調を見極めるようにしてください。
また、首や肩を温めるグッズの活用もおすすめです。
あずきのチカラ 首肩用
レンジで繰り返し使用できる、首や肩を温めるためのグッズです。痛みがつらいときや、寝る前のリラックスタイムなどによいのではないでしょうか。
めぐりズム 蒸気の温熱シート
使い捨てタイプで、職場でも使いやすいタイプの温熱シートです。肩周りだけでなくお好きな箇所に貼って使えるので、肩こり以外のお悩みにも使えます。
めぐりズム蒸気でホットアイマスク
PC作業が長いなど、目を酷使している方は、眼精疲労から肩こりや頭痛につながっている場合もあります。目を温め、目の筋肉の緊張をほぐすためにホットアイマスクを使うのもおすすめです。
姿勢を改善する
悪い姿勢を長時間続けていると、筋肉が緊張し頭痛につながってしまいます。
たとえば、PCを操作するとき、背中が丸まって、首を前に突き出すような姿勢や、スマートフォンを触るとき、首が下を向いてしまっていないでしょうか。
人の頭は5㎏ほどもあります。頭が首よりも前に出てしまえば、首にかかる負担はどんどん大きくなります。
その重さを支えるために首や肩の筋肉が酷使され続ければ肩こりや頭痛につながってしまうのです。
正しい姿勢をとるよう、意識してみましょう。
Ulanzi 卓上 スマホホルダー スタンド
スマートフォンを操作するとき、いつも下を向いてしまう…という方は、こういったスマホスタンドを購入し、視線をあげるようにしてはいかがでしょうか?
自分に合った枕を使う
高すぎたり、柔らかすぎたりと自分の体に合わない枕を使っていると、睡眠中絶えず首に力がかかった状態になり、肩こりの原因となります。
枕に頭を乗せて、以下の項目をチェックしてみてください。当てはまる方は、自分に合った枕を探しましょう。
- 首や肩に力が入っている
- 横向きになったとき、頭・首・背中が一直線になっていない
- のどが圧迫されている
気をつけたい「薬剤の使用過多による頭痛」
鎮痛剤を頻繁に使うことで、かえって頭痛が誘発されてしまうというのが「薬剤の使用過多による頭痛」です。
病院でもらう処方箋医薬品だけでなく、市販薬でも起こります。
薬剤の使用過多による頭痛は、痛みに対する不安から「念のために」と薬を早めに飲んだり、頭痛がないのに「予防的に」薬を飲むことで、薬の効果が弱くなり、さらに頭痛がひどくなり、また薬を飲むという悪循環に陥ってしまう状態です。
頭痛が1か月に15日以上ある方、鎮痛剤を月に15日以上(トリプタン製剤・エルゴタミン製剤は10日以上)服用している方は、薬剤の使用過多による頭痛かもしれません。
この頭痛の場合、鎮痛剤の使用をやめることで70%の方は頭痛が改善するといわれています。鎮痛剤を使いすぎているなと思う方は、早めに医療機関で相談しましょう。
緊張型頭痛の治療
緊張型頭痛の場合、筋肉をほぐしたり、心身のストレスを減らしたりすることで症状が緩和され、日常生活に支障がなくなることも多いです。しかし、中には、ご自身の取り組みだけではうまく改善できないという方もおられます。
そういった場合、お薬でサポートを受けるのも1つの選択肢です。
たとえば、風邪薬として有名な「葛根湯(かっこんとう)」には体をあたためる作用があり、緊張型頭痛にも使われることがあります。市販薬でお試しすることもできますので、ご利用の際は薬剤師までご相談ください。
そのほかにも緊張型頭痛に使われる医薬品はいくつかありますので、頭痛でお困りであれば医療機関で相談してみるのもよいでしょう。
まとめ
今回は、肩こりによって起こる頭痛「緊張型頭痛」について、原因や対策、治療方法について解説しました。
緊張型頭痛の予防・改善のためには、日頃から首や肩をよく動かすこと、姿勢や枕などによる肩周りの緊張を減らすことが大切です。また、片頭痛と区別して対策を取る必要もありますので、今回ご紹介した対策を、日々の生活で取り入れてみてください。
もし、なかなかご自身の対策だけでは改善しない方、緊張型頭痛ではなく片頭痛かもしれないという方は、医療機関で相談しましょう。
参考
監修漆畑俊哉(薬剤師)
- 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
- 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
- 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
- 在宅療養支援認定薬剤師