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2025.5.23

夏のお話

季節のお話

夏に増える虫刺されとその対策方法

夏になると、アウトドアや公園遊びの機会が増え、子どもも大人も虫に刺されやすくなりますよね。

蚊やブヨ、ダニなど、さまざまな虫に刺されることで、かゆみや赤み、腫れなどの症状が出ることがあります。なかには、発熱や感染症を引き起こすケースもあるため、正しい知識と対策が大切です。

今回は、虫刺されの原因や症状、虫の種類別の特徴、そして初期対応や予防法について、わかりやすくご紹介します。

虫刺されの主な原因と症状

虫刺されは、虫に刺されたり噛まれたり、または虫の出す毒や分泌物が肌に触れることで、赤みやかゆみなどの炎症が起こる状態です。

多くの場合は、少しかゆいな、赤くなったな…という軽い症状で済みますが、虫の種類やその人の体質によっては、水ぶくれができたり、強い痛みや発熱、リンパの腫れなど、重い症状が出てしまうこともあります。

とくに小さなお子さんは皮膚が薄くてデリケートなため、大人よりもかゆみを強く感じやすく、症状がひどく出やすい傾向があります。

なかいまち薬局のぴょんすけ

かゆくてつい掻いてしまい、その傷口からばい菌が入って「とびひ」になることもあるので、できるだけ早めにケアしてあげることが大切です。

よくある原因の虫

蚊、ブヨ(ブユ)、アブ、ダニ、ノミ、毛虫 など

症状の程度別の目安

軽度
かゆみや赤みのみ
中等度
腫れ、水ぶくれ、かさぶた
重度
発熱、リンパの腫れ、アレルギー反応

虫の種類別による特徴と症状の違い

それぞれの虫によって、刺されたときの症状や対処法は異なります。代表的な虫を以下にまとめました。

刺された直後にかゆみと赤みが出ます。自然に治ることも多いですが、掻いてしまうととびひになることも。

ブヨ(ブユ)

数時間後から強いかゆみと腫れが出てきます。腫れが広がるのが特徴です。

アブ

刺された瞬間にチクリと痛みがあり、数日間腫れやかゆみが続きます。出血や化膿することも。

毛虫・チャドクガ

毒針毛が刺さると激しいかゆみや湿疹が出ます。発熱を伴うこともあり、皮膚科の受診が必要です。

ダニ

チリダニは赤い発疹がまとまって出るのが特徴。マダニは皮膚にくっついたままなので、無理に取らず医療機関へ

ノミ

足元に小さな赤い発疹が出て、かゆみが長引くのが特徴。掻くと化膿やアレルギーの原因になることも。

虫刺されの初期対応と市販薬の選び方

刺された直後の基本ケア

流水で優しく洗う
汚れや虫の成分を洗い流しましょう。
冷やす
保冷剤や冷たいタオルで炎症を抑えるのに効果的です。
薬を塗る
症状に合った市販薬を選びましょう。
掻きむしり防止
絆創膏やガーゼで保護し、二次感染を防ぎます。

症状に応じた成分と薬の選び方

抗ヒスタミン成分
かゆみや赤みを和らげる。
ステロイド成分
炎症や腫れが強いときに使用。
殺菌成分・抗生物質
掻き壊した際の感染予防に。
局所麻酔成分
痛みやかゆみの即効緩和に。
清涼成分(メントールなど)
ひんやり感でかゆみを軽減。

市販薬の一例

ムヒベビー(池田模範堂)

生後1か月から使える、赤ちゃん用のかゆみ止めです。ステロイドが入っておらず、敏感なお肌にも安心。あせもや湿疹にも使える、やさしい処方です。

ポリベビー(第一三共ヘルスケア)

赤ちゃんから使える外用薬です。弱めのステロイドや抗生物質が入っていて、かゆみや炎症、雑菌の対策にぴったり。虫刺されだけでなく、オムツかぶれにも。

液体ムヒS2a(池田模範堂)

スーッとした清涼感が特徴の液体タイプ。小学生くらいから大人まで使え、かゆみをすばやく抑えます。外出時にも便利です。

キンカン(金冠堂)

昔から親しまれているかゆみ止め。スーッとした使用感で即効性がありますが、刺激が強いので大人向けです。

フルコートf(田辺三菱製薬)

炎症やかゆみが強いときに使う、ステロイド入りの薬です。よく効きますが、顔や長期間の使用は避けましょう。

症状が重いときの見極め方と対処法

以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

  • 発熱がある
  • 刺された部分が広く腫れて熱をもっている
  • 呼吸が苦しい、全身にじんましんが出ている
  • 関節が痛む・動かしにくい
なかいまち薬局のぴょんすけ
これらの症状は、アレルギー反応(アナフィラキシー)や感染症の可能性もあるため、早急な対応が必要です。

虫刺されを防ぐための予防策

外出時の工夫

虫刺されを防ぐ外出時の予防対策(虫よけスプレーや服装)
  • 虫よけスプレーやシールの活用(イカリジン・ディートなど)
  • 長袖・長ズボンで肌の露出を減らす
  • 黒や紺などの濃い色は虫を引き寄せやすいため、なるべく避ける

室内での対策

室内でできる虫刺され対策(網戸や蚊取り線香、扇風機の活用)
  • 網戸のチェックと修理
  • 蚊取り線香や虫除け器具の活用
  • 扇風機を回す(蚊は風に弱い)

小さなお子さんの虫刺され対策のポイント

子どもはかゆみを我慢できずに掻いてしまいやすく、悪化しやすい傾向があります。予防とアフターケアの両方が大切です。

予防の工夫

  • 子ども用の虫よけ(イカリジン配合など)を使用
  • ベビーカーや寝具には蚊帳やネットを設置
  • 外出時は肌の露出を避ける服装を心がける

天使のスキンベープミスト(フマキラー)

赤ちゃんから大人まで使えるやさしい虫よけミストです。有効成分イカリジンを15%配合し、蚊やブユ、アブ、マダニなどの虫よけ効果が最大8時間持続します。

刺されたあとのケア

  • すぐに洗って冷やす
  • 低刺激のかゆみ止めを塗る
  • 掻かないように保護する
  • 化膿や悪化があれば早めに医療機関へ

まとめ

今回は、夏に多く見られる虫刺されについて、原因や症状、そしてその対策や予防の方法までご紹介しました。

虫刺されはちょっとしたことに思えるかもしれませんが、きちんと対処しないと、かゆみが長引いたり、悪化してしまうこともあります。正しい知識を知っておくだけで、夏のお出かけや毎日の生活も、より安心して過ごせます。

「どんなお薬を使えばいいの?」「うちの子の症状には何が合うんだろう?」など、迷うことがあれば、どうぞお気軽に薬局でご相談ください。

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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