マイナンバーカードの健康保険証利用のメリットとデメリット
昨今話題のマイナンバーカードですが、マイナンバーカードに保険証としての機能をつけられるということをご存じでしょうか?
「何がいいのかわからない」、「なんとなく怖い」と感じている方もいるでしょう。今回は、そんなマイナンバーカードの機能(以下「マイナ保険証」)とは何か、そのメリットやデメリットについて解説します。
マイナンバーカードの健康保険証とは
マイナ保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証としての機能をつけたものです。
現在は、病院や薬局の受付で健康保険証を手渡しされていると思いますが、マイナ保険証は、医療機関に設置されているカードリーダーへ、ご自身のマイナンバーカードをかざし、「顔」、または「パスワード」で認証を行うだけで、健康保険証の代わりにすることが可能となります。
「マイナンバー」の不正利用はないの?
マイナンバーを健康保険証として使えるようになっても、受診歴や薬剤情報など、プライバシー性の高い情報がマイナンバーカード(ICチップ)に入ることはありません。
また万が一、落としたり、失くしたりした場合は、お電話 (0120-95-0178)でカードの一時利用停止ができます。

そして、医療機関で特定健診情報や、今までに使った薬剤情報を医師等と共有する場合も、本人の同意が必要となっており、その情報も医療情報のみとなっていますので、プライバシーは保護されています。
マイナ保険証の申し込み方法
マイナンバーを作る
マイナ保険証を使うにはマイナンバーカードが必要です。まずは下記を参照しマイナンバーカードを取得しましょう。
マイナ保険証の申し込み
続いてマイナ保険証の申し込みは、下記「マイナポータル」のページ下部「健康保険証利用の申込」を参考にしてください。
マイナ保険証のメリット
より良い医療が可能に!
本人が同意をすれば、初めての医療機関でも、特定健診情報や今までに使った薬剤情報が医師等と共有でき、より適切な医療が受けられるようになります。
自身の健康管理に役立つ!
マイナポータルで、2021年10月から、自分の特定健診情報を順次閲覧できるようになり、自分の薬剤情報を閲覧できるようになりました。
オンラインで医療費控除がより簡単に!
マイナポータルで、自分の医療費通知情報が閲覧できます。また、2021年分所得税の確定申告から、医療費控除の手続で、マイナポータルを通じて医療費通知情報の自動入力が可能となります。
手続きなしで限度額を超える一時的な支払が不要に!
限度額適用認定証がなくても、高額療養費制度における限度額を超える支払が免除されます。
医療保険の資格確認がスムーズに!
カードリーダーで顔写真を確認すれば、スムーズに医療保険の資格確認ができ、医療機関や薬局の受け付けにおける事務処理の効率化が期待できるため、受付で待たされる時間が減る可能性があります。
健康保険証としてずっと使える!
就職や転職、引越をしても、マイナンバーカードを健康保険証としてずっと使うことができます。

マイナ保険証のデメリット
メリットの多いマイナ保険証ですが、まだ少しデメリットもあります。
まだすべての医療機関では使えない
マイナ保険証は、2023年3月までにすべての医療機関で使えるようになる予定ですが、まだ一部の医療機関でしか使用することができません。
よって、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせても、最短でも2023年3月までは今までの保険証も持っていた方がよさそうです。
監修漆畑俊哉(薬剤師)

- 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
- 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
- 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
- 在宅療養支援認定薬剤師