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2024.3.30

ビマトプロストやGLP-1作動薬。正しく使ってる?美容医薬品を使う際の注意点

美容医薬品を使う際の注意

美容やダイエットの目的で、医療用医薬品サプリメントなどを購入したことがありませんでしょうか?

近年は、医療機関へかからなくても医療用医薬品を手に入れられるサイトや、医療用医薬品を本来の目的とは異なる使い方で処方する自由診療のクリニックなどが増えてきています。

美容やダイエットの目的でサプリメントや医療用医薬品を使う場合であっても、きちんとメリットやデメリットを理解しなければ、後悔することになるかもしれません。

今回は、美容目的に使われることが多い医療用医薬品に着目し、注意点を解説します。

まつ毛を伸ばす目薬

まつ毛が伸びる・濃くなるということで、ビマトプロストという成分の目薬を販売しているサイトがあります。

この成分は、本来は緑内障の治療に使う薬です。

実際、ビマトプロストによってまつ毛の毛包が刺激されて毛周期が長くなったり、充血が続いてしまったり、メラニン色素が多く作られるといった副作用はあります。

ビマトプロストや類似の目薬を使っている患者様は、医療従事者から見ればわかるほど、見た目に影響が出ます。

ビマトプロストとまつ毛

「まつ毛が伸びるなら、使ってもいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、ビマトプロストが肌に付着した場合、「色素沈着(黒ずみ)」が起きることがあります。

個人差はありますが、薬剤による色素沈着は使用を中止すれば次第に改善することが報告されています。ですから、使用後の拭き取りなどを含めて適正使用を続けることで、色素沈着を防いでいくことが重要です。

また、まぶたのたるみ(眼瞼下垂)くぼみ(眼瞼溝深化)といった副作用も、比較的頻度が高いです。

さらに、海外製のビマトプロストの場合は、より一層の注意が必要です。

ビマトプロストの副作用

厚生労働省により認可されたよりも濃度が濃く配合されていることがあり、かゆみなどの肌トラブル刺激により角膜が傷ついて痛みが出る、色素沈着やまぶたへの影響が強いなど、さまざまな症状が出る可能性があります。

なかいまち薬局・ぴょんすけ

綺麗になりたいと思ったのに、副作用でつらい思いをしてしまうかもしれません。

ダイエットに使用される糖尿病治療薬

糖尿病用の治療薬を、ダイエットによいとして販売しているクリニックやサイトもあります。

とくに近年、SNS等でよく見かけるのが「GLP-1作動薬」という薬を使ったダイエットです。たしかに、この薬には食欲を減退させる作用があり、肥満傾向にある糖尿病の患者さんにはよく使われます。ところが、副作用も非常に多く、中には危険な副作用もあるのです。まず頻度が高いのは、吐き気腹痛といったお腹の症状です。

GLP-1作動薬は、胃の動きを抑えます。つまり、食べたものがいつまでも胃に残ることで満腹感を長続きさせ、食べる量を減らすというイメージです。この効果の影響で、ずっと胃もたれ感が続いたり、吐き気が続いたりしてしまいます。

「このくらいであれば、ダイエットのために我慢する」と考える方もいるでしょう。ですが、GLP-1作動薬をダイエット目的に使う場合、糖尿病の治療で使う場合と比べて、膵炎が9倍胃不全麻痺や腸閉塞(イレウス)が4倍になるということがわかりました。

GLP-1の副作用

ダイエット目的で使用して有害事象が起こったとしても、「医薬品副作用被害救済制度」の対象にはならず、救済されない点にも注意が必要です。

「医師が処方しているんだから、安全」と皆さんは思っているかもしれません。ですが、医師が関与したからといって必ずしも安全ではありません。自由診療では、全く専門外の医師が処方をしていることがあるため、注意が必要です。

なかいまち薬局のぴょんすけ
ご自身の健康のためにも、必要のないダイエットに医療用医薬品を使用するのは控えましょう

医薬品副作用被害救済制度

「医薬品副作用被害救済制度」というのは、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用で入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。

自由診療の影響で治療が必要となった場合、医療保険が使えずに、治療費がすべて自費になってしまうこともあります。

もし入院となれば、何十万円、何百万円とかかってしまうかもしれません。自由診療で医薬品を購入するということには、これだけのリスクがあると知っておきましょう。

ダイエットに使用される防風通聖散

便通が改善する、ダイエットによいなどの謳い文句で、防風通聖散という漢方薬を服用している方もよくみられます。クリニックへ行かなくとも、近所のドラッグストアなどでも市販されていますね。

漢方と副作用

防風通聖散には1つ、大きな副作用があります。長く服用を続けていると、「腸間膜静脈硬化症」という疾患を起こすリスクがあるのです。

具体的には、5年以上継続的に服用している方で、とくに注意が必要だとされています。

日本人を中心に、アジアのみで報告されている稀な疾患です。アジアのみというのも、漢方薬が使用されている国だからかもしれませんね。

漢方薬はあまり副作用がないと誤解されている方は多いですが、漢方薬も医薬品です。大小さまざまな副作用があります。

長期間にわたって漫然と服用を続けないようにしましょう。便秘でお悩みであれば医療機関で相談されることをおすすめします。長期的に使用しても、クセにならない安全な便秘薬が増えています。

腸間膜静脈硬化症

大腸壁内や腸間膜の静脈に石灰化が起こり、静脈の流れが悪くなることで、腸管の慢性虚血性変化をきたす疾患です。腹痛が45%、下痢が38例、腹部膨満(お腹の張り)やイレウスが16.8%、悪心・嘔吐が10.5%、便秘が7.7%、血便が7.3%など、お腹に関連した症状が多いですが、無症状の方も23.3%おられます。

ビタミン類

ビタミン類を好んで使用されている方もいるでしょう。

ビタミンの服用には、さほど大きな問題点はないことが多いですが、次の2点は理解しておきましょう。

何かが「治る」わけではない

ビタミンのサプリメントをとることで、何かが「治る」ことを過度に期待しないようにしましょう。

医薬品ではなく、あくまでもサプリメント(健康食品)です。何かが治るのであれば、それは医薬品として利用されているはずです。

使用量は守る

ビタミンには、その性質によって脂溶性・水溶性の2種類に分けられます。

脂溶性のビタミン(ビタミンA,D,E,K)の場合は、過剰にとると体内に蓄積してしまい、有害事象の出るリスクがあります。

たとえば、ビタミンAを過剰にとると、吐き気や頭痛、場合によっては意識が朦朧とするといった症状が出るかもしれません。

サプリメントと使用量

逆に、水溶性のビタミン(ビタミンA,D,E,K以外のビタミン)の場合は、過剰にとったとしてもすべて尿として体から排出されてしまいます。せっかくお金をかけて摂取しても、無駄ということになります。

ワンポイント
医薬品ではないとはいえ、使用量は守りましょう。ダイエットはあくまで、食事と運動を基本として行い、便秘などポイントでの症状に対してお薬を使用していくようにしましょう。 「楽なダイエット」「手軽なダイエット」という謳い文句で販売されている商品もありますが、その裏側には相応の危険性が潜んでいるので注意が必要です。

まとめ

今回は、医薬品やサプリメントを美容・ダイエットの目的で使用する場合の注意点について解説しました。

販売しているクリニックやサイトがある以上、利用したいと思う気持ちは当然です。しかし、「医師が関わっているのだから安全」だというわけではありません。

医薬品には、副作用もあります。デメリットまで正しく理解して、ご自身の体を守りましょう。

参考

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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