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2024.11.6

薬剤師が教える冬に注意すべき5つのこと

薬剤師が教える冬に注意すべき5つのこと

暑い季節から一転してすっかり寒くなりましたね。四季って不思議だな、素敵だなと改めて感じます。

さて今回は、寒い時期ならではの気を付けるべきポイントを、薬剤師視点から解説していきたいと思います!

感染症

冬は一年の中で一番感染症が流行りやすい時期です。

理由として、低温で乾燥した空間では長時間にわたってウイルスが生存し感染力を保持しやすいため、人間の鼻や喉の働きが低下しウイルスへの抵抗力が弱まるため、などが挙げられます。

感染症は本当に恐ろしいものですが、対処方法を知っていれば、手洗い、うがい、アルコール手指消毒など、簡単なことである程度は予防できます。

また、薬は正しく使わないと治らないどころか症状を悪化させてしまうこともあります。抗菌薬が処方された場合には、症状が出なくなっても体の中に菌が残っている可能性があるので飲み切ることが大切です。

感染症の対策などについては、こちらで詳しく解説しています。

感染症から身を守るためには予防接種も重要な役割を果たします。

予防接種についてはこちらで詳しく解説しています。

健康管理

忘年会や年末年始のイベントが多くなる時期なので、食べ過ぎ、飲み過ぎをしてしまうこともあるでしょう。

食べ過ぎ、飲み過ぎなど、胃や自律神経の働きを妨げるような要因があると、ぜん動運動が弱くなったり、空腹時に胃の粘膜が荒れたりして、胃もたれが起こりやすくなります。(加齢やストレスによっても引き起こされます)

食べ過ぎ、飲み過ぎは胃に大きな負担がかかるので、腹八分目を心がけ、暴飲暴食を避けましょう。よく噛むことで消化を助け、ゆっくりと食事を楽しみましょう。

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アルコールがもたらす影響についてはこちらで詳しく解説しています。

アレルギー

冬は暖房器具の使用が増えることにより、ハウスダストやペットの毛などによるアレルギー症状が出やすい時期です。

また、お風呂上がりのように暖かい場所から寒い場所に移動したときや、寒い中で熱い食べ物を食べたときなどの急な温度変化で、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、頭痛などの症状が出ることを「寒暖差アレルギー」といいます。医学的な病名では「血管運動性鼻炎」と呼ばれており、7℃以上の温度差がある場合に発症しやすくなります。

花粉、ハウスダスト、ダニといったアレルゲンから引き起こされる訳ではないため、正確にはアレルギーではないのですが、アレルギー性鼻炎と症状が似ているので寒暖差アレルギーと呼ばれるようになったと考えられています。

正確にはアレルギーではないと解説しましたが、抗アレルギー薬によって殆どの症状を改善することができます。

市販薬ではこれらの商品が有名です。

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防寒対策

寒さ対策というと皆さんは何を思い浮かべますか?マフラー・コート・布団・暖房などでしょうか。内面からのアプローチは意外と見落としがちになっていませんか?体を温めてくれる食材をご紹介するので是非参考にしてみてください。

オススメ食材

唐辛子

唐辛子に含まれるカプサイシンは発熱・発汗作用があり、身体を温めます。ただし、大量のカプサイシンを摂取すると喉や胃の粘膜を傷つけてしまうので適量を摂取しましょう。

生姜

生姜にはジンゲロール・ショウガオールという2種類の辛み成分が含まれています。 生の状態ではジンゲロールが多く、加熱することでショウガオールが増加し身体が温かさを感じるようになります。

ネギ、タマネギ、にんにく

ネギ類やにんにくに含まれるアリシンは血流を改善し、冷えの予防・改善効果が期待できます。

サケ、サバ、サンマなど

ビタミンEは、末梢血管を広げて血行を良くする作用があり、冷え性の予防・改善が期待できます。

冬に旬となる魚介類はビタミンEを多く含む食材が多いのでおすすめです。

補足

お風呂に入って芯から温まることもオススメです。その際、先ほど解説した寒暖差アレルギーに気を付けてください。より危険な症状の出る可能性があるヒートショックについても要注意です。

ヒートショックについてはこちらで詳しく解説しています。

乾燥対策

冬は一年の中で特に乾燥がひどく、肌トラブルが増える時期です。

保湿を心掛けていただくことはもちろん、冬でも紫外線対策は必要です。長時間のウインタースポーツを楽しむ場合には夏と同じくらいの日焼け対策をしてください。

マスクはできるだけサイズの合うものを選び、通気性の良いタイプのものだと更に良いでしょう。

塗り薬を使用する際は、種類によってメリット・デメリットがあるので状況に応じて使い分けてみてください。

軟膏タイプ

水分を含まないタイプで、刺激が少ないため肌が弱い方でも使いやすいです。汗や水で流れにくく、患部のカバー力が高く保湿性もありますが、若干べたつきが強い傾向にあります。外出前の使用だと見た目でテカりがでてしまったり、衣服についてしまったりすることがあるため、シーンを選び上手く使い分ける必要があります。

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ローション・乳液タイプ

水性や乳液タイプで、非常にさらっとした塗り広げやすい使用感が特徴です。アルコール成分や清涼感を加えた商品も多く、熱を持った患部やかゆみのある場所に使われることが多いです。軟膏タイプに比べるとカバー力は弱いため、保湿力や成分をその場にとどめさせる力は弱めです。

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クリームタイプ

水と油を混ぜ合わせたタイプで、前述の2タイプの中間的な位置づけです。伸びが良く塗り広げやすく、ある程度のカバー力も持っています。水と油の配合バランスによって油性が強いタイプや水性が強いタイプなどの分類があり、使用感や患部の状況によって使い分けが可能です。

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乾燥による肌トラブルなどについてはこちらで詳しく解説しています。

まとめ

今回は寒い冬だからこそ気を付けなければならないポイントについてお話させていただきました。

必要以上に恐れて身構える必要はありませんが、日常生活の身近なところにも危険は潜んでいます。是非今回の話を参考にしていただき、対策してみてくださいね。

健康に今年を締めくくり、健康に新年を迎えましょう!

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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