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2024.7.3

安全で健康的な旅行のコツ|安心して楽しむためのガイド

安全で健康的な旅行のコツ|安心して楽しむためのガイド

旅行中に病気やけがをすると、せっかくの旅行も楽しめなくなってしまいます。しかし、旅行中の急な病気やけがは、誰にでも起こりうることです。

旅行を健康的に楽しむためにも、万全の準備をしておくことが重要です。備えあれば憂いなし!本記事では、安心して旅行を楽しむための、旅行中の病気やけがへの備えやポイントを薬剤師ならではの視点で紹介します。

旅行前の準備

常備薬や緊急時の薬の準備

最初に準備すべき薬は普段使っている薬です。旅行でよくあるのが、普段使っている薬を持っていくのを忘れてしまうことです。旅行先では病院が開いていないこともあるため、普段から使っている薬がある場合は、必ず忘れないように準備しましょう。

また、やむを得ず延泊が必要になったときなどのために、普段使っている薬は余裕をもって余分に持っていきましょう。

次に、旅行先で具合が悪くなった場合の薬です。

この場合の体調不良としてよくあるのは、風邪や胃腸の不調(胃痛、下痢)です。日本国内であれば、旅行先で体の不調が起きた場合も病院にかかることができ、薬局やドラッグストアでも医薬品を購入できますが、海外旅行の場合は注意が必要です。また、旅行先によっては、マラリアの予防薬や高山病の薬などの持参を検討する必要があります。

旅行前の常備薬や緊急時の薬の準備
補足
現在、世界の多くの地域で偽薬が問題となっています。風邪薬や胃痛、下痢などの胃腸の不調に対する一般薬などは、できるだけ国内から持参しておくようにしましょう。

旅行保険の確認と加入

海外での病気やけがによって治療が必要となり、病院にかかった場合、医療費が高額になることが考えられます。場合によっては、1,000万円を超えるほどの高額となることもあるため、旅行保険への事前加入をおすすめします。

旅行保険に加入する場合のチェックポイント

治療・救援費用の補償限度額
医療サービスの補償範囲
持病がある場合、持病の治療に対する補償の有無
妊娠合併症に対する補償の有無
高リスクの活動(登山など)の健康問題に対する補償の有無
サポートの充実度
立替払いの必要性(キャッシュレスサービスの有無)
給付対象となる医療機関

旅行用持参薬の準備

常用薬など携帯すべき薬のリスト

普段から内服・外用している医薬品をリスト化して忘れないようにしましょう。

そして、旅行先の国によっては、医師の診断書の携帯が必要であったり、持ち込み・持ち出しできる医薬品の数量に制限があるとこともありますので、医薬品の使用用途(病気や症状)などを説明できる文書を準備しておくことをおすすめします。

また、薬を旅行に持参する際には、必要なときにすぐに取り出せるよう、わかりやすく薬をまとめておきましょう。

常用薬など携帯すべき薬のリスト
なかいまち薬局のぴょんすけ
入国の際に薬の内容を確認される場合があるため、薬の内容がわかるパッケージのまま持参するといいですね!

消毒液、絆創膏、ガーゼなどの応急処置用品

擦り傷や捻挫などの軽いけがに備え、消毒液やガーゼや絆創膏などの応急処置用品を持参しておくと安心です。また、発熱時に備え、体温計の持参もおすすめします。

消毒綿やガーゼ、絆創膏、包帯などがまとめられた、持ち歩ける便利な救急セットもあります。はさみ類は機内に持ち込むことができないため、手荷物ではなく預け入れの荷物に入れておくようにしましょう。

服用スケジュール

1日に複数回服用するお薬ですと旅行先に時差がある場合、常用薬の服用のタイミングを迷うことがあるかもしれません。服用間隔を確認の上、服用ください。

また、糖尿病や血圧の薬など、薬によっては食事に注意が必要な場合があります。旅行前にかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。

食事と水分補給

現地の食文化と衛生環境の理解

日本と海外では衛生状況が異なり、現地の食文化や衛生環境によっては、食品や水などが原因で病気になったり体調を崩してしまう可能性があります。

ガイドブックなどで、現地の衛生状態などを事前にしっかり確認するようにしましょう。

安全な飲料水の確保と水分補給の方法

生水は飲まないようにし、ミネラルウォーターなど、缶・びん・ペットボトルで販売されている飲料水を飲むようにしましょう。

レストランなどで提供される水にも注意が必要です。信頼できる飲食店以外ではミネラルウォーターなどを購入して飲むようにしてください。

食中毒の予防策

食中毒の予防策

食中毒を予防するため、魚介類や肉、野菜は十分に火を通して食べるようにしてください。

屋台やホテル・レストランのビュッフェなどの調理済みの料理は、保存状況によっては食中毒の原因菌が増殖している可能性があります。冷蔵保存されている食べ物や、高温で管理された状態で保存されている食べ物を食べるようにしましょう。

また、カットフルーツも菌が増殖している可能性があるため、自分でカットして食べるようにしてください。

補足
こまめに手洗いやアルコール消毒をすることは、食中毒予防になります。食事の前やトイレの後など、しっかり手を洗うようにしましょう。

適切な休息と睡眠

時差ボケ対策とリズムの調整

体内リズムが乱れると、体調を崩しやすくなります。時差ボケで体内リズムが乱れるのを防ぐため、可能であれば旅行の1週間前から出発日にかけて、徐々に旅行先の現地時間に合わせた生活リズムに近づけることをおすすめします。

また、機内では現地時間に合わせて食事や睡眠をとるようにし、現地に到着後は太陽の光をしっかり浴びてください

旅行中のリラックス法とストレス管理

時差や気候の違いなど、普段の生活環境と異なる旅行では、自覚がなくてさまざまなストレスを受け、体調を崩しやすくなります。好きな音楽を聴いたり、動画を見たり、ストレッチ・マッサージをするなどして、リラックスするようにしましょう。

なかいまち薬局のぴょんすけ
旅行中は無理のないスケジュールで、しっかり休養できるようにしてくださいね。

快適な宿泊先の選び方

まずは、安全の確保が第一です。

旅行先が海外の場合、地域によっては犯罪が多く、危険な場合があります。必ず、外務省の海外安全ホームページで旅行先の安全情報を確認し、安全な地域を宿泊先に選ぶようにしましょう。

交通の便が良く観光地へのアクセスが良い場所や、周囲にコンビニやレストランなどがある場所に立地している宿泊先も、利便性が高くおすすめです。

旅行のスタイルや目的、予算などに応じ、立地やサービス、コストパフォーマンスなどを考慮して宿泊先を選ぶようにしましょう。

運動とストレッチ

長時間の移動中にできる簡単なストレッチ

飛行機の機内など長時間同じ姿勢でいると、血液の流れが悪くなり、血管内に血栓ができる「エコノミークラス症候群」になるリスクが高まります。

エコノミークラス症候群は、血栓が肺の血管にできてしまうと肺塞栓症となり、最悪の場合、死に至ることもある恐ろしい病気です。

機内や車内など、狭い場所でもできる、エコノミークラス症候群の予防に効果的なストレッチをご紹介します。

エコノミークラス症候群を予防する足のストレッチ

  1. 足の指でグーをつくる
  2. 足の指をひらく
  3. 足を上下につま先立ちする
  4. 足のかかとをつけたまま、つま先を引き上げる
  5. ひざを両手で抱え、足の力を抜いて足首を回す
  6. ふくらはぎを揉む

旅行先でのウォーキングや軽い運動のすすめ

旅行中は観光地などを巡り、普段より活動量の増える方が多くなると思います。飛行機や車での移動が多い日など、運動が少ないと感じたときには、宿泊先の周りなどをウォーキングするなど、軽い運動を取り入れてみてください。

現地の医療情報の確認

緊急時に対応できる医療機関のリサーチ

旅行先の病気やけがで医療機関を受診する場合に備え、緊急時にどこの医療機関を受診すればよいのか、渡航先の医療機関を必ず事前にチェックしておきましょう。

海外旅行保険に加入している場合は、24時間日本語で相談可能なサポートサービスや、保険会社の提携病院などがある場合もあるので、加入している旅行保険をよく確認するようにしてください。

現地の救急連絡先の確認

日本国内で救急車を呼ぶときは「119番」ですが、海外では国によって番号が異なります。渡航先の救急連絡先を事前に確認しておきましょう。

まとめ

旅行中の急な病気やけがは、誰にでも起こりうる可能性があります。

医薬品や応急処置用品を持参していると、旅行先で体調が悪くなったときや、けがをしたときにも安心です。普段から使っている薬がある方は、忘れずに持参するようにしましょう。

旅行前には旅行保険に加入することをおすすめします。万が一に備え、渡航先の医療情報や救急連絡先を確認しておくことも、忘れないようにしてください。

旅行中の病気やけがへの備えを徹底し、安心して健康的に旅行を楽しみましょう!

参考

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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