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2022.5.17

薬剤師がおすすめする常備薬

薬剤師がおすすめする常備薬

頭が痛い、子どもにあせもができたなど今薬がほしい!という時がありますよね。そんな時、自宅に「常備薬」を置いていると安心です。

常備薬と聞くと、痛み止めと風邪薬を思い浮かべる方が多いと思いますが、それ以外にも役立つ薬はいろいろとあります。

そこで本記事では、ご家庭や生活シチュエーションでどのようなお薬を準備していると良いか、薬剤師の視点で解説をさせていただきます。

常備薬の基本セット

常備薬を置いておく場所やシチュエーションに合わせ、どのような薬があったら便利か紹介します。

解熱鎮痛剤

まずは「解熱鎮痛剤」の準備をおすすめいたします。

ちょっと頭が痛いとき、夜中に熱が出たときなど、応急処置にとても役立ち、病院に行くまでの繋ぎとして「解熱鎮痛剤が家にあると安心」という声が大きいです。

解熱鎮痛剤

ロキソニンS

ロキソプロフェンが含まれるお薬は解熱にも鎮痛にもとてもよい効果を発揮するため、健康な成人だけのご家庭におすすめです。

タイレノールA

胃腸が弱い方にも使いやすい解熱鎮痛剤アセトアミノフェンが含まれるお薬をおすすめします。

ただし毎日服用する持病のお薬で、すでにアセトアミノフェンが含まれるお薬を飲んでいる方は、上限量を超えていないか、かかりつけの薬剤師に確認ください。

補足

高齢の方は腎臓の働きが弱っている可能性があるためアセトアミノフェンが含まれるお薬の方が安心です。

また、お子さまはインフルエンザのときにロキソプロフェン・イブプロフェンが含まれるお薬が使えませんので注意が必要です。

体温計

体温計は、一人暮らしの方などは意外と持っていないのではないでしょうか。

体温計があれば、夜間に発熱したとしても「今すぐに受診したほうが良いか」、「明日でも大丈夫そうか」など病院受診の判断がしやすくなります

パルスオキシメーター

そして最後にパルスオキシメーター(血中の酸素濃度を測る機械)があると安心です。

昨今の感染症の問題で、自宅で自分や家族の体調を管理しなくてはいけない場合が多々あります。重症かどうかを判断する1つの基準になりますのでパルスオキシメーターがあると便利です。

なかいまち薬局のぴょんすけ
電池式のパルスオキシメーターは電池も常に常備くださいね。

上記「解熱鎮痛剤」、「体温計」、「パルスオキシメーター」の基本3セットに加え、場所や環境によって必要な常備薬を揃えるとよいでしょう。

赤ちゃん・幼児がいるご家庭で便利な薬

スキンケア

赤ちゃんや小さなお子さまがいるご家庭では、スキンケアの常備薬があると便利です。

小さなお子さまの肌はとっても敏感で、夏は「あせも」や「湿疹」、冬は「乾燥」など、1年中お肌のトラブルが避けられません。

スキンケアをすることで、アトピーやアレルギーのリスクが減ることもわかっていますので、肌トラブルが起きたときにはできるだけ早く対処するとよいでしょう。

赤ちゃん・幼児がいるご家庭で便利な薬

ポリベビー

「おむつかぶれが出来ちゃったけど、連休中で病院は休みだし・・」なんてときにも、湿疹やあせもの常備薬として「炎症止め」「かゆみ止め」の成分が含まれた塗り薬があると便利です。

なお常備薬として置いておくものは、何かの感染症だった場合にステロイドで悪化するといけませんので「ノンステロイド(ステロイド成分が含まれないもの)」がおすすめです。

ベビーワセリン

保湿のための常備薬として「ワセリン」がおすすめです。

ただ単に水分の蒸発を防いで保湿をするだけでなく、外部からの刺激を抑える効果もあり、おむつかぶれやよだれかぶれ、衣服との摩擦などの刺激からお肌を守る用途に使えます。

ただし「肌状態を改善する」作用の成分は入っていないので、基本的には状態の良いお肌を保つイメージで使用するものです。

高齢者がいるご家庭で便利な薬

高齢の方は持病の薬を飲んでいたり、腎臓や肝臓の働きが若い頃に比べて弱っていたりと、なかなか常備薬を選ぶのも大変です。

常備薬としては比較的からだに優しく持病があっても使いやすい薬を紹介します。

整腸剤

年齢を重ねるにつれ、お通じの調整がうまくいかない方が多くなります。

日ごろの通院でも下剤を処方されている方がいると思いますが、「下剤を飲んでいるのに便秘になってしまった」「下剤が効きすぎて下痢だ」というときに、整腸剤を加えてみるのはどうでしょうか。

飲み合わせや腎臓の機能をあまり気にしなくてよいので、整腸剤は誰にでも使いやすい薬です。

新ビオフェルミンS錠

胃腸薬

お孫さんが遊びにきたときに脂っこいものを食べすぎてしまった、お酒を飲みすぎてしまったなどで胃もたれを感じるときには胃腸薬はいかがでしょうか。

病院にかかっている方は胃薬を処方されていることがありますので、飲み合わせに問題が起こりにくいお薬を紹介します。

スクラート胃腸薬

暴飲暴食などによる炎症をおさえます

太田胃散

ストレスや不安からくる胃もたれ・胃痛を改善します。

なかいまち薬局のぴょんすけ
胃もたれや胃痛が慢性的に続く場合には、何か胃腸の病気があるかもしれませんので、病院を受診してください。

旅行など長距離移動のときに便利な薬

長距離を移動するときに心配になるのは乗り物酔いで、最近は、小さなお子さまだと「電車に乗りながら動画を見せていたら酔ってしまった」なんてこともありますね。

「酔い止め」もたくさんの種類が市販されているため、どれがよいか選ぶのがなかなか大変ですが、即効性を求める予防に使いたいかによって選ぶものが変わります。

酔い止め薬

即効性のある酔い止め

口の中でサッと溶けるので、電車内など揺れる場所でも水なしで簡単に飲むことができ、即効性があるため気持ち悪くなってからでも大丈夫です。

センパアQT<ジュニア>

センパアQT

予防にも使える酔い止め

予防にも気持ち悪くなってからでも使用できますが、眠くなる副作用があるため自動車や自転車など運転の予定がある場合はご利用をお控えください。

トラベルミンジュニア

トラベルミン

災害時に役立つ薬

災害時は自宅とは環境が異なるために、思わぬ症状が出てしまうことがあり、すぐには希望の薬が手に入らないことが考えられますので、いくつか常備薬を持っておくと安心です。

災害時に持ち出すバッグには、以下のようなものを備えておくとよいでしょう。

持病の薬

一般的に災害発生から3〜7日程度で薬などの支援物資も届くようになりますので、数日分の薬を持っていると安心です。もし持っていなくても、お薬手帳など薬の情報がわかるものがあれば、支援が到着したときにスムーズに対応ができます。

その他

「災害時のクスリの備え方」の記事をご参照ください。

職場に置いておきたい薬

目薬

職場には、「疲れ目に効果のある目薬」を置いておきませんか?PC作業は目が疲れるだけでなく、頭痛や肩こり、不眠などさまざまな症状につながってしまいます。

血流改善のビタミンE、神経をやすめるビタミンB12、目の代謝を改善するビタミンB6、ピント調節を助けるネオスチグミンなどが含まれている目薬がよいでしょう。

ソフトサンティア ひとみストレッチ

ロートゴールド40

なかいまち薬局のぴょんすけ
休憩中にホットアイマスクなどを使って目をあたためるのもリラックス効果があっておすすめです。

常備薬、どうやって揃えるの?

本記事を参考にしてご自身で探していただいても良いのですが、お薬選びに迷ったときは気軽に薬剤師に相談してください。家族構成や年齢などによって適切なアドバイスをさせていただきます。

その際、持病で飲んでいる薬がある方はお薬手帳をお持ちください。成分重複や持病の関係で控えた方がよい薬なども考慮しながら提案をさせていただきます。

常備薬の保管場所に注意

常備薬は直射日光が当たらず、あまり温度が高くならないところへ保管してください。

お薬は高温多湿の環境に長く置いておくと、薬の成分が分解されてしまうことがありますので、日当たりのよい窓辺ではなく引き出しの中などに保管してください。

また瓶の薬を開封した場合には、なるべく早めに使い切るようにし、時々しか使わない薬はできるだけ瓶ではなくシート状のものを選ぶのがよいですね。

なかいまち薬局のぴょんすけ
整腸剤のように、頻繁に使う薬であれば瓶でも問題ありません。

まとめ

今回は準備しておくと役に立つ常備薬をシチュエーションや年齢別に紹介しました。

今すぐに薬がほしいときに常備薬があることで安心しますし、急な体調不良にも落ち着いて対応をすることができます。

まずは基本の3セット(「解熱鎮痛剤」、「体温計」、「パルスオキシメーター」)を用意し、あとは家族構成や年齢、シチュエーションに合わせて必要な常備薬を準備してください。

また常備薬の選択でお悩みの際はかかりつけの薬剤師へご相談ください。

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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