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2021.6.22

健康診断の検査と目的!健康診断で将来の病気を予防

健康診断の検査と目的

病院にはどういう時に行きますでしょうか?

お腹が痛い、腰が痛いなど症状が出てから病院に行く方が多いですね。ですが身体に異常が出た時だけ病院に行けばよいのでしょうか?

病院に行った時には、病気の状態が進行して手遅れだったという話を聞いたことがあるかと思います。

定期的に健康診断を受けていれば、早めに病気を見つけることができるかもしれません。本記事では健康診断で病気が早めにわかるとどんなメリットがあるか、健康診断の内容と共に解説します。

健康診断って何するの?

「健康診断」の検査項目は以下になります。(厚生労働省参照)

お医者さんの診察(今の病気と仕事内容の調査、症状がないか確認)
身長・体重・腹囲の測定
視力・聴力の検査
胸部レントゲンおよび痰の検査(結核や肺炎の検査)
血圧
血液検査(主に貧血、肝臓、糖尿病、血液がドロドロかどうかの検査)
尿の検査(糖尿病かどうか、腎臓が悪くないかの検査)
心電図(不整脈かどうか、心臓がちゃんと動いているかの検査)
なかいまち薬局のぴょんすけ

必ず行う検査はピンク色の文字の項目ですね。

今までの健康診断で、「前回は血液を取られたのに今回はいらないの?」と思った経験がある方もいるかと思いますが、お医者さんがいらないと判断した検査(若い、元気な人などの心電図など)は省くことができます。

なお、上記の一般健診とは別に、市区町村が主体となって勧められている「がん検診」というものがあります。こちらは「健診」ではなく、「検診」です。

「健診」は健康状態を調べる検査で、「検診」は病気の早期発見をするための検査です。よって「健康診断」は「検診が必要か」を確認するものとなります。

通院中だったら健康診断は不要?

例えば、すでに糖尿病で通院しているし、血液検査も定期的にしているから健康診断はしなくてもいいのでは?と思う方もいるかと思います。

確かに糖尿病に関しては、健康診断で検査をする必要はないかもしれませんが、糖尿病以外に肺の状態や心臓の状態まで定期的に確認をしていますでしょうか?

健康診断の目的は「健康状態を調べる」ことです。

通院中の病気以外に異常がないか確認するためにも健康診断は受けておくべきです。

血液検査

健康診断は何歳から受けるべき?

働いている人は、1年に1度は健康診断(一般健診)を受ける様に法律で決まっています。

労働安全衛生法第66条

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。

労働安全衛生法

つまり年齢に関係なく、年に1度は健康診断をする必要があります。

また、健康診断とは別に40歳以上になると特定健診(通称:メタボ健診)があります。

特定健診(メタボ健診)

主に生活習慣病と言われる高血圧や糖尿病、痛風、脂肪肝、肺気腫などに関係するものをさらに詳しく見る健康診断で、実は働いている人だけでなく、その扶養にいる人(配偶者など)も対象です。

メタボ検診

しかしながら、働いている8割の方はメタボ健診を受けていますが、その扶養にいる方(配偶者など)は1割程度しか受けていないことが問題になっています。(2007年時点)

メタボ健診は、将来的なガンや脳梗塞などに関わる生活習慣病の早期発見・早期治療を目的としており、この健康診断は「病院に行った時には手遅れだった…」とならない為にとても重要なものです。

なかいまち薬局のぴょんすけ

働いているかどうかに関わらず、受けることをオススメします。

早く病気がわかる事のメリット

健康診断をしていれば、早めに身体の不調や病気がわかると記述しましたが、早く見つかることの具体的なメリットはなんでしょうか?

端的に言えば、「身体の負担お金の負担家族の負担が小さくなる」ことです。

健康診断をちゃんと受けていて早く見つかった場合と遅れた場合でどのように違うのか、今回は胃がんを例に解説します。

身体への負担が小さい

毎年健康診断をしていれば、お医者さんが「おかしい」と判断し、何か身体に不調がないかと聞かれます。その時に少しでも胃の不快感や胃痛があれば、胃の内視鏡など詳しい検査ができる病院を紹介してもらえ、早期の胃がんが見つかれば、そのまま内視鏡で切除することが可能な場合もあります。

ダイエットをした訳でもなく、急激に体重が減るときには、「がん」が潜んでいることがあります。

一方、健康診断を受けていないと、がんが大きくなり体力がなくなったり、がんから少しずつ出血したことで貧血になりフラフラするなどの症状が出てから病院に行くことになります。

この時点で、病院に行ってもがんが大きくなっており、手術は必要だけど内視鏡ではできないと言われるかもしれません。または、他の臓器にがんが飛んでいるから手術そのものができないと言われるかもしれません。

健康診断と身体負担

がんが早く見つかればそれだけ身体への負担が小さい手術を選ぶことができます。そして早期に切除することができれば、「抗癌剤」などを使う必要もないので身体の負担はだいぶ違います。

金銭的な負担が小さい

上記で書いたように、早めに見つけられると内視鏡で手術ができ、遅くなるとお腹を開ける手術が必要になるかもしれません。同じ胃癌の手術でもこの2つにかかる金額は全然違います

健康診断と治療費

手術で入院する場合、支払う金額は主に「入院費+手術手技代」になります。(入院費は病院によって変わるのでここでは大まかに1万円としましょう。)

内視鏡での手術の場合多くは、1泊2日の手術です。がんがポリープのように小さい場合の手術手技代は、およそ2万円(3割負担の場合)です。つまり、約3万円で済みます。

一方、お腹を開けて胃を切除する場合は、入院が1週間以上必要で、さらに手術手技代は20万円以上(3割負担の場合)し、この時点でも30万円以上の負担を考える必要があります。

また傷の治りが悪く入院が長引く場合や、抗癌剤などの追加治療が必要となればさらにお金がかかります

病気を早く見つけると治療に必要なお金が少なくなることがお分かり頂けるかと思います。

家族の負担が小さい

病気になっても、病人の問題であって家族は関係ないのでは?と思う方がいるかもしれません。しかし、病気になると家族にも大きな負担となります。

まず、一家の大黒柱が病気で働けなくなると収入が下がります。もちろん働けなくなった時もお金が支給される保険に入っている場合は大丈夫ですが、そうでない場合は生活を大きく変える必要があります。また、胃癌などの場合、1回入院して手術をすれば大丈夫!なんてことはありません。内視鏡で手術してもがんが再発していないかなどの通院はあります。ただ、早く見つけて治療できた場合、その期間が短いことが多いです。

一方、がんが大きくなってから分かった場合、手術に加えて放射線治療や抗癌剤の治療が必要なことがあります。

特に抗癌剤を行う場合は、期間を空けて何度も抗癌剤を投与する必要があり、身体への負担も大きく、一人で病院に行って家に帰るのはかなり難しいでしょう。

病気になった人だけでなく、家族も付き添いとして何度も病院に行くことになるので、時間的な余裕が無くなってしまいます

さらにがんが大きくなって見つかった場合は、再発の可能性も高くなるので病院に通う期間も長くなりますので、金銭的にも時間的にも病気が早く見つかる方が家族の負担は小さくなります

健康家族

まとめ

いかがでしたでしょうか。

定期的に、自分の健康状態を確認する健康診断を行うことは、将来の病気を予防する上でとても重要です。

いざ、病気になっても健康診断で早く見つけることができれば、早めに治療ができ、身体の負担・金銭的な負担・家族の負担などを小さくできます。

健康診断を行い、早期に病気を見つけることはメリットしかありません。

「今、症状がないから大丈夫!」と考えるのではなく、きちんと毎年健康診断を行い、自分の健康状態を把握しておきましょう。

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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