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2021.2.12

受動喫煙と健康被害

受動喫煙と健康被害

タバコはもっとも有害な嗜好品(しこうひん)と言われています。

しかしながら、喫煙者は一時の至福感と引き換えに、家族やまわりの人へ健康ダメージを与えていることを認識しているにも関わらず、禁煙できないのが実情です。

本記事では、喫煙者よりも多量に有害物質を吸い込む「受動喫煙」の怖さや、自力で禁煙を成功させるためのポイントを解説します。

受動喫煙の怖さ

受動喫煙の怖さ

喫煙者が自分の肺にタバコの煙を吸い込むことを「一次喫煙」、喫煙者が吐き出した煙やタバコから直接立ちのぼる煙を他者が吸入することを「二次喫煙」といいます。

「二次喫煙」は、自分ではタバコを吸っていない受け身の喫煙ということから「受動喫煙」とも呼ばれます。

タバコの煙にはおよそ4,000種類の化学物質が含まれ、その中でも特に有害な物質がニコチン、タール、一酸化炭素です。

そして、タバコの煙は拡散性が高いため、吸っていない人も同程度の有害物質を吸いこんだことになります

ほとんどの喫煙者はマナーを守り、まわりの人を巻き込まないように工夫してタバコを吸っていますが、たとえベランダでタバコを吸ったとしても、いったんタバコを吸った人の吐く息には大量のガス状物質が含まれています。

喫煙の影響がなくなるまでに約45分はかかるため、タバコを吸った後、すぐにリビングで子どもと一緒に遊んだり、食事を共にすると、子どもは親の呼気から多量の有害物質を吸い込むことになります。

なかいまち薬局・ぴょんすけ

タバコを吸う人と一緒に生活することは、癒しも健康も得られないと言うことになりますね。

「三次喫煙」とは?

一般的に「一次喫煙」とは主流煙とも言われ、喫煙者本人がタバコを吸う時に吸い込む煙のことです。

「二次喫煙」とは「受動喫煙」とも「副流煙」とも呼ばれ、喫煙者ではないのに、同じ部屋などにいて吸ってしまう煙のことです。

そして「三次喫煙」とは壁紙、カーテンなどにタバコ臭がしみこみ、その残留タバコ成分によって、タバコを全く吸わない人が健康被害を受けることを言います。

こんな経験はありませんか?

  • カラオケボックスに入ったときや、新幹線の喫煙車両に乗ったときなどにタバコ臭を感じた。
  • 他家を訪問した時にタバコ臭が気になった。
  • 会社の同僚のタバコ臭で気分が悪くなった。

上述した経験は、すべて残留タバコ成分の影響です。

残留物質は、空気中の化学物質と反応して揮発し、発がん性が指摘されている成分を含む有害物質となり、第三者を巻き込む汚染源となる可能性が、研究によって明らかになりつつあります。

なかいまち薬局・ぴょんすけ

タバコによる健康被害は思っている以上に根深く、単なる嗜好品の一つとして片づけられるものではありません。

受動喫煙が原因ではないかと考えられる子どもの病気

子どもは大人に比べ、呼吸器や中枢神経の発達が未熟であるため、身体的な影響を受けやすい状態にあります。

受動喫煙が原因ではないかと考えられる子どもの病気として以下などがあります。

  • 気管支炎
  • 小児ぜんそくなどの呼吸障害
  • アトピー性皮膚炎
  • 小児がん
  • 白血病
  • 脳腫瘍

問題なのは、タバコを吸っている本人よりも、タバコを吸わない子どもが受けるダメージです。

喫煙者本人はタバコのフィルターを通して吸うため、有害物質はある程度減少しますが、受動喫煙はフィルターを通さないため、大量の有害物質を吸い込むことになってしまいます。

小さな体に大量の有害物質を取り込むことは、決して望ましいことではありません。

やめたいがやめられないタバコ

喫煙者の3人に1人が「タバコをやめたい」と思っていますが、実際に禁煙できない人は、すでにニコチン依存症になっているからかもしれません。

ニコチン依存症は病気なので、意志が弱いからとか根性がないからといったレベルではありません。

本気でニコチン依存症からの脱出を望んでいるなら、ニコチンガムと一部のニコチンパッチ(貼り薬)は薬局でも購入できるので、薬剤師にご相談ください。

ニコチン製剤について

ニコチンパッチは、薬局でも買えるものと、医師によって処方されるものがあり、医療用のニコチンパッチやニコチンを含まない飲み薬は、健康保険等が使えます

ニコチン製剤は、口の中の粘膜や皮膚からニコチンが少しずつ吸収されるため、ニコチン切れの離脱症状が軽減されます。

なかいまち薬局・ぴょんすけ

思うように禁煙ができない場合は、禁煙外来を受診する方法も検討してみましょう。

タバコの健康被害

受動喫煙による健康被害

たばこを吸う人(喫煙者)の死亡率は、吸わない人(非喫煙者)より高く、国内で喫煙に関連する病気で亡くなった人は年間で12~13万人、世界では年間500万人以上と推定されています。

更に、国内の調査では20歳よりも前に喫煙を始めると、男性は8年、女性は10年も短命になることが分かっています。

引用:禁煙推進Webサイト

喫煙は肺がんに限らず、ほとんどの部位のがんの原因になると言われています。

がんの他にも、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患、更に生活習慣病の糖尿病、妊娠周産期の異常(早産、低出生体重児、死産、乳児死亡など)や歯周病など、さまざまな病気の原因にもなります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とはどんな病気なの?

COPDとは、肺の生活習慣病とも呼ばれている病気です。

過去にタバコを吸っていた人や、現在も吸っている人が罹患(りかん)することが多く、肺に炎症が起こります。

原因は喫煙だけでなく、大気汚染などに含まれる有害物質も関係していると考えられますが、第一原因は長期の喫煙による肺へのダメージです。

COPDの主な症状は咳、たん、息切れなどですが、COPDになると肺がんになる危険性が高くなり、怖いことにCOPDは受動喫煙だけでも発症します。

慢性気管支炎や肺気腫などもCOPDですが、慢性的に咳が続いたり、息切れや動悸が気になる場合は、受動喫煙によるCOPDの疑いもあるので専門の機関で診てもらうようにしましょう。

タバコとSDGs(持続可能な開発目標)の関係性

SDGs-すべての人に健康と福祉を

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、2015年9月の国連サミットで国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

17の大きな目標と、目標を達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

その中に「すべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する」と掲げられて、タバコによる健康被害が、世界規模で取り組まなくてはならない課題となっています。

また、新型コロナウイルス感染症と喫煙との関連について、WHOが2020年4月に招集した専門家によるレビューにおいて、喫煙者は非喫煙者と比べ、新型コロナウイルスへ感染した場合、重症化する可能性の高いことが報告されたと公表しています。

まとめ

タバコを吸わなくても吸っている人と生活を共にしたり、行動を共にすることで、とんでもない被害を受けることになります。

特に悲惨なのが、小さな子どもたちが受ける副流煙とも呼ばれる「受動喫煙」で、あってはならないことですが、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクは、親の喫煙が大きく影響しているようです。

喫煙する大人たちは、タバコを吸っていない子どもが、喫煙者よりも多量に有害物質を吸い込む「受動喫煙」の怖さを認識しましょう。

そして、愛する人たちのために禁煙を成功させる努力を始めてみませんか。

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