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2021.10.11

視力回復方法と視力低下の原因

視力回復方法

近くのモノははっきりと見える一方、遠くのモノはぼやけて見える「近視」の方は年々増え続けています。

文部科学省が行っている学校保健調査によると、裸眼視力が1.0未満の高校生の割合は平成20年度は57.9%ほどでしたが、平成30年度には67.2%にまで上昇していました。

親御さんにとって、お子さまの視力低下は心配事の1つですね。今回は、視力低下の原因と視力回復方法について解説します。

近視とは

近視というのは、目のレンズである水晶体の厚み調節がうまく出来なくなり、ものがぼやけて見えることを指します。

レンズの厚み調節をしているのは、「毛様体筋」(もうようたいきん)という目の筋肉で、近距離作業を続けすぎて毛様体筋が過度に緊張状態になることで、一時的な近視の「仮性近視」という状態になると言われています。

お子さまの視力低下で眼科に行った時に、「点眼で様子を見ましょう」と言われたら仮性近視の状態の可能性が高いです。

また、もし数ヶ月間、点眼を使って目の筋肉を休ませる治療をしても、視力が戻らない場合は仮性近視ではなく真の近視が考えられます。

なかいまち薬局・ぴょんすけ

近視が進行すると眼球の形(眼軸長)が数ミリ伸びてしまい、視力が戻りにくくなります。

近視の原因

近視の原因はテレビゲーム

視力低下の原因はすべてが解明されているわけではありませんが、代表的なリスクとしてスマホやテレビゲームの普及目から近距離での作業などが関係しているのではないかと考えられています。

視力低下の種類で最もポピュラーな近視について見てみると、「遺伝」と「環境」の2つの影響が強いことがわかっています。

なお、近視が始まる年齢は個々に違いがあり、進行は概ね10代後半で止まります

また女性は男性の2倍近視になりやすいことがわかっていますので、テレビゲームのしすぎや近距離作業には、より一層注意をする必要があるでしょう。

近視の発症予防には屋外活動がおすすめ

近視が始まるのを遅らせるには屋外活動が良いようです。

理由はまだ十分にわかっていないのですが、外は太陽の光で十分に明るいことや、色度が関係していると考えられています。

また、2017年に慶応義塾大学の研究グループが発表したところによると、太陽の光に含まれる『バイオレットライト』という種類の光が近視の進行を抑制してくれるのだそうです。

メガネやコンタクトのレンズは、紫外線などをカットする作りになっていることが多いので、バイオレットライトもカットされていることがあります。

よって屋外で過ごすときには、裸眼の方が視力低下の抑制には適していると考えられます。

近視を予防したい方、進行を遅らせたい方は、なるべく公園やキャンプなど自然の中で過ごしたりする時間を増やすといいかもしれませんね。

自然の中で視力回復

大人の眼精疲労は視力低下や乱視などのサインかも

近視の進行は10代後半で止まると上述しましたが、40代ごろからは「乱視」・「老眼」など、近視とは別の理由で視力低下が起こる可能性があります。

視力が落ちたという感覚ではなく、目が疲れる・目が霞む・目が乾く・頭痛や肩こりが辛いなど、眼精疲労として感じることが多いです。

よく見えないのを補うために、毛様体筋を酷使していたり、姿勢が悪くなったりするので、目だけでなく全身に症状が起きてしまいます。

一方、視力低下の影に白内障や緑内障が隠れている可能性も否定はできません。

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目や体をよく休ませても、治らないような眼精疲労は、眼科の受診を検討しましょう。

視力を低下させないためのトレーニング

視力は維持することが大切です。

参考までに2つのトレーニングを紹介しますので、取り入れやすいトレーニングを試してみてください。

近くと遠くを交互に見るトレーニング

1つ目のトレーニングとして、近くと遠くを交互に見ることを繰り返す方法があります。

指やペンなど近くのものを3秒間見つめたあと、山や建物など遠くの目印にピントを合わせて、同じように3秒間眺めましょう。これを3回ほど繰り返します。

遠くを眺めるときに、筋肉をリラックスさせる効果があります。ちょっとした空き時間などにお試しください。

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ベランダなどの外でこのトレーニングを行えば、バイオレットライトを浴びることもできるので一石二鳥ですね。

ピント合わせのトレーニング

ピントを合わせる距離を変えるトレーニングをすることで、PC作業などで近くばかりにピントを合わせて凝り固まっている毛様体筋を動かすことができます。

ペンなどをもって手を前に伸ばします。ペンにピントを合わせたまま、3秒間程でペンを顔に近づけていき、ピントが合わなくなったところで止めましょう。これを3回ほど繰り返します。

それでは以下に、その他の視力を低下させない方法につきまして解説します。

視力低下を防ぐ漢方

子どもの仮性近視の状態であれば、「小建中湯」という漢方が効いたという報告があります。

毛様体筋の過度の緊張を抑える効果があったようです。

小建中湯は子どもによく使われる漢方ではありますが、視力低下に使えるとして売られているものではなく、特別な例として報告されています。

すべてのお子さんに当てはめられるわけではないので、ご使用の際は目の状態について医師とよく相談する必要があるでしょう。

また成人の眼精疲労には、「杞菊地黄丸」という漢方が使用できます。

ドラッグストアで売っていることもありますし、漢方薬局などで薬剤師に相談しながら購入することも可能です。

疲れやすい、むくみやすいなどの体質の方に合うとされています。

目をあたためる・冷やす

目は1日中ピント合わせをしているため、毛様体筋をたくさん使っているので、筋肉をリラックスさせるために、あたためたり、冷やしたりするのは効果的です。

また、同時に目の周りをトントンと軽くたたいたりこめかみをマッサージしたりすることで、眼精疲労の軽減に繋がります。

どちらでも、自分にとって気持ちが良いと思う方を実践しましょう。

目の疲れ視力回復

ブルーライトカットレンズの効果は

最新の研究では、ブルーライトカットレンズには眼精疲労を軽減する効果がないことがわかってきました。

また、ブルーライトカットレンズはバイオレットライトもカットしてしまう製品が多いことから、視力低下の抑制という意味でも逆効果と言えます。

一方、ブルーライトは睡眠に悪影響を及ぼすことは明らかになっているので、ブルーライトカットレンズを夕方以降に使用することには意味があると考えられます。

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日中はコンタクトだけど夜はメガネという方、夜用のメガネを別で購入したい方などは、ブルーライトカットレンズでも良さそうです。

室内環境を整える

暗い部屋が視力低下につながるという根拠はありませんが、目が疲れやすい照明・疲れにくい照明というのは存在します。また色による効果も忘れないでください。

目的に合った明るさ

勉強、読書、パソコン作業、リラックスなど、目的に合った照明を使い分けるようにすると良いでしょう。

  • 勉強や読書:500~1000ルクス
  • 編み物など細かい作業:750~2000ルクス
  • パソコンやスマホの作業:300~500ルクス

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明るすぎたり暗すぎると目の筋肉を酷使することになるので、明るさの調整が細かくできる照明器具を選ぶと良いですね。

年齢による明るさの感じ方

高齢になってくると、若い人の3倍の光でようやく明るいと感じるようになるとも言われています。

よって、お子さんの部屋とご両親の部屋、祖父母の部屋では、必要な明るさがまったく違うのです。

リビングなど皆が集まる部屋は平均的な明るさにして、個別の部屋は調節できるようにすると良いですね。

色による効果

白っぽい光は、集中したいときには最適ですが、脳を興奮状態にしてしまうため、寝る前には避けた方がリラックスできます。

また外が暗いのに室内が煌々と明るいのも、目が疲れる原因になっていまいますので、寝室などのリラックス空間は、オレンジ色に変えられる照明を使うと良いですよ。

まとめ

近視の人口は世界中で増え続けています。

近視の進行抑制には、点眼薬や漢方薬、目のトレーニングなどが有効の可能性があります。

手軽に行えるものもあるので、気になるものがあれば試してみてください。また、室内の照明の明るさや色を調整することで、目の疲れを減らすことができます。

視力低下予防や眼精疲労軽減のため、おうちの中を見直してみるのはいかがでしょうか。

監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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