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2022.11.26

袋詰め作業員?薬局と薬剤師の本来の活用方法

袋詰め作業員?薬局と薬剤師の本来の活用方法

薬剤師のことを「袋詰め作業員」と言われることがありますが、袋詰め作業だけで薬局・薬剤師を利用するのはもったいないです。

薬剤師の仕事は医師や看護師ほど目につくものではないため、薬を渡すこと以外で何をしているのか?、何をすることが薬剤師の役目なのか?、そして便利な使い方は何なのか?。よくわからないですよね。

そこで今回は、皆さまの健康維持のために「薬局」と「薬剤師」をどのように活用できるのかを紹介します。

薬剤師について

薬剤師は医師と同じで、大学に6年間通い、国家試験に合格してやっとなることができる仕事です。

たまに「通信教育でとれる資格」と思っている方もいらっしゃるのですが、じつは時間をかけて勉強し資格を取得しています。

認定薬剤師

また薬剤師になったあと、さらに勉強を続けて「小児薬物療法認定薬剤師」「在宅療養支援認定薬剤師」のような、プラスアルファの資格を取っている薬剤師もいます。

なかいまち薬局のぴょんすけ

「小児科専門医」「産婦人科専門医」のように専門医を持っている医師がいますよね。薬剤師の認定資格も、「その分野に詳しいですよ」という証です。

調剤薬局でお薬が手元に渡るまで

薬剤師の仕事といえば「薬局で薬を渡して簡単に説明をして終わり」というイメージがあるかもしれません。

実際にはどのような流れで患者さまへ薬をお渡ししているのか紹介します。

1.処方内容や飲み合わせをチェック

お薬手帳や薬歴(薬局にある個別のカルテのようなもの)を見ながら、処方された量を飲んで安全か、飲み合わせは問題ないかなどを確認します。

必要があれば、患者さまに先にお話を伺うこともあります。

2.処方内容を医師に確認・相談する「疑義照会」

もし処方箋の内容に疑問点があったときは、「疑義照会」をおこないます。疑義照会というのは、「処方の内容について医師に問い合わせをすること」で、薬剤師だけに許された仕事なのです。

たとえば、内科から「ノルバデックス」という名前の抗がん剤が新しく出されたとします。ノルバデックスは乳癌の治療薬なのに、患者さまは男性。もしかして、「ノルバスク」という高血圧の薬と間違えているのでは?なんて事例も、実際にあるのです。

疑義照会

3.薬を集め複数人で確認(鑑査)

処方箋の内容が問題ないとわかったら実際に薬を集めて、複数人の薬剤師が処方箋の内容・実物のチェックをおこないます。

先ほど例示した「抗がん剤と高血圧の薬を間違えた!」というような大きなミスは多くないですが、個々人にとって安全で間違いのない薬をお渡しするよう慎重な確認が必要です。

4.患者さまへ薬をお渡し

こうして、複数の薬剤師の目でチェックを重ねて、やっと患者さまへお薬を渡すことができます。

お時間がないときには「病院でもう症状の話はしたのに、なんでまた聞かれるんだろう」と感じてしまうかもしれませんが、安全に薬を使うためなのでご理解ください。

薬を飲んで「体調が変」と思ったら薬局へ相談を

薬を飲んで「なんとなく体調が変だな」「医師に電話するほど悪いわけじゃないけど…」というときには薬剤師へ相談することもできます。

窓口では頻度の高い副作用を中心にお話しているので、薬の稀な副作用だったということもあり得るほか、受診した方がよい症状の可能性も捨てきれません。

病院を受診するべきかどうかなど、お薬を渡したあとのアフターフォローも薬剤師の仕事です。また、必要な方には薬剤師の方からお電話することもありますよ。

薬を渡すだけじゃない!?薬剤師の仕事

薬局で処方箋を受け取ってお薬を渡す「処方箋調剤」以外にも、薬剤師の仕事を紹介します。じつはいろいろなところで、薬剤師も関わっています。

休日診療所での担当業務

休日に体調が悪くなったとき、休日診療所を受診しますよね。

休日でもきちんと安全が確認された薬を受け取って飲むことができるよう、地域の薬剤師が休日診療所へ派遣されています。

きちんと飲み合わせなどを確認しますので、お薬手帳をお忘れなくお持ちください。

地域への健康推進活動

薬剤師は、「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する仕事」であると、法律(薬剤師法)で定められています。

「皆さんの健康の維持・向上のために薬剤師は活動をしなければならない」使命があるということです。

その一環として、どんな活動をしているのか紹介します。

学校薬剤師

薬剤師の仕事の1つ、「学校薬剤師」をご存じでしょうか。

学校薬剤師は幼稚園〜高校までの学校に配置することが義務付けられていて、健康の相談にのったり、学校の環境が適切かどうかを調べたりするのが主な業務です。

学校の環境として、明るさ・換気・騒音・設備の衛生面などに問題がないか、ネズミなどの害獣がいないか、水質は問題ないかなどを、専用の器具などを使って調べています。

照明は明るすぎても暗すぎても目に負担がかかりますし、換気が不十分だと二酸化炭素が溜まったりインフルエンザが流行しやすくなったりと悪影響です。

学校薬剤師の業務は、子どもたちが学校で安心・安全に過ごすためにおこなっています。

小学校、中学校での交流

小学校や中学校を訪問して薬剤師の仕事紹介をしたり、実際に薬局内で職場体験をおこなったりしています。

この活動を通して薬や医療、薬剤師という仕事に興味を持ってもらったり、将来一緒に皆さんの健康を守る仲間になってもらえたりすると嬉しいです。

健康についてのセミナー開催

「病院には通ってるけど、先生になかなか疑問点を聞けない」そんなお悩みをお持ちの方は多いです。

インターネットで調べても、逆の情報が出てきて不安になってしまった、情報が多すぎてどうしたらよいかわからないという方もいます。そんなときは、薬局を頼りにしてください。

生活習慣病について、お口の健康についてなど、テーマを設けて簡単なセミナーを開催している薬局もあります。

なかいまち薬局のぴょんすけ

病気や薬について理解を深め、前向きに治療へ向かうお手伝いも薬剤師の使命の一つです!

地域の医療コミュニティとの連携

 
地域の医療コミュニティとの連携

地域の病院やクリニック、ほかの薬局との連携も重要です。

たとえば、病院から退院して訪問診療を受けることになった患者さまがいたとします。スムーズに在宅医療へ移行できるようにサポートが必要です。

薬局の薬剤師として、病院ではどんな経緯で薬を調整したのか、どのように薬を飲んでいたのか、痛みなどの状況はどうか…といった情報を病院の医師や薬剤師と共有します。

より密接な連携のため、病院のカンファレンスに参加することもあります。

外来で通院を続ける場合でも、がん治療や心不全治療などは、薬をしっかり飲んでもらうこと、副作用が少なく治療が続けられるようフォローアップすることが大切です。

そのために、医師がどのような意図で処方をしているのか、どんな支援をすると治療を続けやすいかなど、医師・薬剤師と勉強会を開くこともあります。

「患者さまを支えるチームの一員」という意識で、薬局の薬剤師も活動しています。

薬局・薬剤師の使い方

ここまで薬剤師のお仕事について解説しましたが、患者さまにとって薬を受け取る以外でオススメの薬局・薬剤師の利用方法を解説します。

市販薬を買うときのお薬相談

市販薬を購入するときにも、ぜひ相談してください。

セルフメディケーション」といって、「ちょっとした体調不良のときは病院へ行かず、市販薬を上手に使う」という方法を国が推奨しています。

安心・安全なセルフメディケーションのため、薬剤師を活用してみませんか?相談には費用はかかりませんし、相談したら薬を買わなくてはいけないということもありません。「飲み合わせは問題ないか」「受診した方がよい症状ではないか」など確認し、アドバイスをさせていただきます。

また「置き薬」の場合は、ご家族全員が安心して飲める薬なのかどうかも大切です。お母さん・お父さんには大丈夫でも、持病のあるおばあちゃん・おじいちゃんにはあまりよくない薬、というのもあります。

ご相談の際は、ご家族分のお薬手帳やサプリメントの情報をお持ちください。

健康相談

「健康セミナー」を開催していると上述しましたが、セミナーでなくても、日頃から疑問に思っていることなどがあれば気軽に相談ください。

すぐにお答えできないときもあるかもしれませんが、その場合は資料などを用意して後日改めて説明をさせていただきます。

禁煙サポート

「禁煙したいけど、長続きしない」そんなお悩みの方はいませんか?

自分の意志だけでは、なかなか禁煙を続けられないものです。薬局で禁煙補助薬を取り扱っていますので、使ってみませんか?ニコチン依存度のチェックをしたり、タバコを吸いたくなったときの対処法を一緒に考えたりと禁煙をサポートさせていただきます。

食事サポート

薬局でも、調理方法や食べ方の工夫、食事のバランスについてなど、パンフレットを使いながらアドバイスを受けることが可能です。

薬局によっては、栄養士により専門的な相談をできるところもありますよ。

心臓や腎臓が悪い方、糖尿病のある方など、さまざまな病状に合わせて適切な食事をとれるようサポートします。

介護サポート

ご自宅で訪問看護や訪問介護を導入して生活されている方も増えてきています。

薬剤師も定期的にご自宅へ訪問して、薬の管理をお手伝いしたり、飲みやすいように薬を変更したり、錠剤の数を減らせないか考えたりと介護にまつわるサポートが可能です。

薬のことでお困りのことがあれば、薬局でご相談ください。

まとめ

今回は、薬剤師の仕事や、薬局の活用方法について紹介しました。

薬局・薬剤師はお薬を渡すことが目的ではなく、薬剤師法で定められている通り「国民の健康な生活を確保すること」を目的とし、お薬をお渡ししています。

よって、お薬をお渡しする必要のない健康な暮らしを国民の皆様に推進しなければなりません。

まだまだ弊社でも至らない点がたくさんありますが、健康情報を発信し多くの方に健康になっていただけるよう引き続き努力いたします。

また本記事を機に、皆さまの健康の維持・向上のため、薬剤師や薬局を気軽に利用してください。

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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