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2022.12.20

生活習慣病の対策と改善方法

生活習慣病の対策と改善方法

40代ごろから増えてくる「生活習慣病」ですが、きちんと通院はできていますか?

現代は仕事に家事に育児に忙しい方が多く、生活習慣病の通院を中断してしまう方は珍しくありません。ですが、しっかりと治療を続けることが、長い期間にわたって健康で元気に暮らすために大切です。

今回は、生活習慣病治療がなぜ必要なのか、そしてご自宅でもできるちょっとした対策法について解説します。

生活習慣病とは

生活習慣病は、「生活習慣によって発症する病気」、「生活習慣次第で予防ができる病気」のことです。

具体的には、以下のような病気が生活習慣病として扱われます。

  • 高血圧
  • 脂質異常症(高コレステロール血症)
  • 高尿酸血症(痛風)
  • 糖尿病
  • 肥満

なかいまち薬局・ぴょんすけ

生活習慣病は、1つ1つが動脈硬化を引き起こしますが、いくつか合併することでさらに動脈硬化が進行しやすくなりますよ。

生活習慣病を複数持っていることに加えて腹囲が基準を超えていると「メタボリックシンドローム」の可能性があります。

1つの生活習慣病がそのほかの生活習慣病を引き起こし、動脈硬化を進行させて脳梗塞や心筋梗塞といった大きな病気を引き起こす…という具合に、どんどん病状が悪化していくことを「メタボリックドミノ」と呼びます。

メタボリックドミノを予防し、少しでも健康な状態を長く保つためには、1つ1つの生活習慣病をきちんと治療することが大切です。

補足

糖尿病に関しては、遺伝的な要因も大きくかかわってくることから、生活習慣病と呼ぶのをやめようという動きもあります。発症した場合に生活習慣を整えることは大切ですが、発症がすべて生活習慣の影響とは限りません。

生活習慣病のための対処法

生活習慣病の悪化予防のために、日頃から「運動食事」の3本柱を意識しましょう。

具体的にどんなことに取り組めばよいか、いくつか紹介します。

運動は小さなことから一歩ずつ

運動は、あらゆる面で健康に役立ちます。「毎日疲れてる」、「時間がない」など、必要だとわかっているのに運動に取り組めない事情はさまざまあるでしょう。

運動をするといっても、いきなりランニングをしてジムで筋力トレーニングをする必要はありません。毎日の生活に組み込めるようなことから始めるのがポイントです。

まずは今より10分体を動かす

厚生労働省が作成している「アクティブガイド」では、「+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう」ということがおすすめされています。

この10分は、スポーツをしなくてもかまいません。日常の生活でおこなっている「生活活動」を今よりも多くおこないましょう。

運動は小さなことから一歩ずつ
出勤のときに少し遠回りして歩く
駅ではエレベーターではなく階段を使う
近い距離は車を使わず歩く
ゴミ箱をあえて遠くに置いて少しでも歩くようにする
仕事中、少し遠くのトイレを使う

なかいまち薬局・ぴょんすけ

このように、日々の生活でちょっと歩く距離を伸ばす程度のことでよいので、ご自身の生活の中で、少し体を動かせそうなタイミングを探してみましょう!

自宅で簡単な筋力トレーニング

筋力トレーニングは、生活習慣病の予防や改善のほか、体力づくりや、将来的な寝たきりリスクを減らすなど、さまざまな効果がありますが、ジムに通うのは時間もお金もかかるので、ちょっと億劫だという方もいるかもしれませんね。

そこでまずは、ご自宅で簡単にできる筋力トレーニングをしてみませんか?

スクワット

スクワットは下半身の大きな筋肉を鍛えられるのでおすすめです。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり脂肪が燃焼しやすい体に近づきます。

YouTubeなどで正しいフォームを教えてくれる動画がありますので、確認しながらおこなってみましょう。

NHKの「みんなで筋肉体操」

「みんなで筋肉体操」は、短い時間で効率よく行える筋力トレーニング方法をいろいろと紹介しています。

通常のやり方、座っておこなうやり方など、若い人から高齢者まで取り組みやすいように工夫されており、YouTubeで見ることができます。

運動の目標は週に60分

「生活活動」を増やすことに慣れてきた方は、「運動」を少し取り入れてみましょう。18〜64歳の方は、週に60分が目標とされています。

具体的には、軽いジョギングやランニング、サイクリング、エアロビクス、水泳など、汗をかくようなものがよいでしょう。

食事はバランスが大事

「◯◯さえ食べればOK」といった救世主のような食べ物はありません。逆に、「絶対に食べてはいけないもの」もありません。毎日の食事にちょっとした工夫を積み重ねていきましょう。

基本はカロリーコントロール

まずは、自分の体格や運動量に合ったカロリーに抑えることが大切です。

運動していても、カロリーオーバーでは減量することはできません。「痩せ体型」まで目指す必要はないですが、適正体重を維持しましょう。

なかいまち薬局のぴょんすけ
ご自身の年齢や体格からみて必要なエネルギー量については、アプリなどで計算してくれるものがありますので、試してみてください。
補足

適正体重は「BMI=22」で、「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算します。

たとえば、身長175㎝で体重80㎏の方であれば「BMI=80÷1.75÷1.75=26.1」なので、もう少し減量が必要です。

ソースやドレッシングは「つける」「置き換える」

塩分対策として、ソース類は上からかけるよりも、別皿にとって「つける」ことを意識してみてください。こうすることで、ソース類の使用量を抑えられます。

また、調味料を減塩の商品にする、塩分の少ない調味料へ「置き換える」ことも効果的で、調味料は、一般的に「醤油 > ポン酢 > ソース > ドレッシング > ケチャップ > マヨネーズ > お酢」のような順番で塩分が少なくなっていきます。

よって、塩分だけの観点から考えれば、

サラダにはドレッシングではなくマヨネーズ
チキンカツにはソースではなくケチャップ
冷奴に醤油ではなくポン酢

など、調味料を変更することでも少し減塩が可能です。

調味料は別皿

調理方法を変えてみて

ヘルシーな調理方法の料理を作る・選ぶということも大切で、調理法(「揚げる > 焼く> 蒸す・茹でる」)によってエネルギー量(カロリー)は少なくなっていきます。

外食のときでも、唐揚げではなく照り焼きやサラダチキンにする、トンカツではなく煮豚、冷しゃぶサラダを選ぶなど、ヘルシーな調理方法を選ぶことは可能です。少しずつ意識してみましょう。

野菜を毎食取り入れる

ランチをパンやカップラーメンだけで済ませていませんか?一品料理は時間がないときにもパッと食べられるので楽ですが、栄養バランスが偏ってしまいます。

生活習慣病とサラダ

食事のたびに野菜をとるように意識しましょう。

野菜に多く含まれる食物繊維には、便通が整うだけでなく、余分な脂質や糖・ナトリウム(塩分)を体の外に排出する働きもあります。この働きにより、さまざまな生活習慣病によい影響を与えてくれますよ。

たとえばコンビニでは、カップラーメンだけでなく小さなサラダや金平ごぼう、ナムルなどを一緒に買いましょう。

補足

ポテトサラダは、じゃがいもが炭水化物なので食物繊維が多いとは言えません。しっかり葉物野菜(レタス・キャベツ・ほうれん草など)や根菜類(ごぼう・にんじん・大根など)が含まれたものがよいですね。

薬はしっかり続けましょう

生活習慣病は、ほとんど自覚症状がないので「体調は問題ないから、通院はもういいか。」「血圧下がったし、薬やめちゃおう」と考えてしまう方もいます。

ですが、生活習慣病は薬の治療を続けることが大切です。

生活習慣病治療は「将来的な重大な病気の予防」が目的。脳梗塞や心筋梗塞といった病気で健康を損なってしまわないよう、今は少し面倒に思えても、通院して薬を続けていきましょう

まとめ

今回は、生活習慣病やメタボリックシンドロームはなぜ治療しなくてはならないか、そして悪化させないために日々できることについて解説しました。

忙しい世代にとって定期的な通院は面倒なものですが、将来の大きな病気に繋がらないよう、生活習慣病をきちんと治療し、食事や運動にも気をつけることが大切です。

日々の生活に取り入れられる対処法もたくさんあります。小さなことの積み重ねで、長く健康に過ごしましょう。

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監修漆畑俊哉(薬剤師)

漆畑俊哉(薬剤師)
  • 株式会社なかいまち薬局 代表取締役社長
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師
  • 日本在宅薬学会 バイタルサイン エヴァンジェリスト
  • 在宅療養支援認定薬剤師

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